読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

故郷へマのつく舵をとれ! 喬林知著 角川ビーンズ文庫 2008年

 マ王シリーズ本編第15弾。
 《聖砂国編》完結。
 ネタばれになってるかな、すみません;

 異国の地・聖砂国で有利たちの目の前に現れたのは、イェルシー率いるゾンビ軍団と変わり果てたヨザック、すっかりくたびれている村田健だった。イェルシーは村田と有利、サラレギーの交換を申し入れて来る。
 渋るサラレギーは無理強いせず逃がし、有利一人が村田との人質交替に赴こうとするが、次男と三男が許さない。ヴォルフラムは有利の腹を殴って動けなくした上、フードを深く被ってイェルシーを謀ろうとする。それを阻止したのは村田だった。大声でヴォルフラムの正体をばらす村田。何故ならそこには箱『凍土の劫火』があったから。鍵となる可能性のある人物を近づけてはならない、と有利は腹の痛みを堪えて走り出す。
 有利の言葉に挑発され、箱の利用法を語るイェルシー。的外れにも、箱の力で母親・女帝アラゾンを蘇らせようとしたらしい。箱にそんな力はない、と説得を重ねる有利の目の前に炎が飛んできた。
 炎を放ったのはジェイソンとフレディの二人だった。サラレギーに話を聞いた収容所の面々が増援に駆け付け、形勢は逆転。箱の鍵はコンラッドかヴォルフラムだと気付いたイェルシーを追い込み、さらにアラゾンのミイラを焼き払う結果となる。…

 案外あっさりカタがついた《聖砂国編》。特に、指輪があっさり取れちゃったのには本当に驚いた。何だか拍子抜け、ってくらいに(苦笑;)。
 とはいえ、やはり自分の無力さを嘆く有利、それを受け止めるコンラッドの図にはときめくものがありました(笑)。そう、だから有利には、みんなが手を貸してやりたくなるんですよね。幸せに笑っていて欲しいと思ってしまう。有利のおかげかヴォルフラムの男前度はどんどん上がって行ってるし、恋って凄い(笑)。
 アーダルベルトは聖砂国に残るようですね、サラレギーもイェルシーとの協力体制を整えるよう。不安要素はヨザックがちゃんと元に戻るのか。これは毒女アニシナに期待しましょう。