下級生への、バレンタインチョコのお返しに悩む祐巳たち三人。遊園地でキャンディーを購入したものの、それだけではちょっと何かが足りない感じがする。ラッピングで悩みながら、話題はあちこちに飛ぶ。
大学入学に当たり、今までのキャラを変えよう、と決意した先代紅薔薇さま・水野蓉子。目指したのは佐藤聖のいい加減さと、可愛い孫・福沢祐巳の親しみやすさだったはずなのに、やはり同級生たちにはそうは見えないらしい。親友に憧れてそうなりたいと思っていた川藤さん、東北弁を気にして無口になっていた日村さん、一見クールでボーイッシュに見えるが実は子持ちの徳永さん。みんなイメージチェンジを狙っていた。…:『デビュー』
加東さんと一緒にイタリア旅行に行くことになった先代白薔薇さま・佐藤聖。日程がどうもリリアン女学園高等部の修学旅行と被ってしまったらしく、空港でも身を隠すのに必死。聖はイタリア旅行を存分に楽しむ。…:『フィレンツェ煎餅を買いに』
夏の終わり、自分たちや上級生たちの呼び方・呼ばれ方、いずれ出来るだろう妹の呼び方・呼ばれ方に思いを馳せる。…:『「さん」付け問題』
藤堂家の次男・賢文が、一回り離れた兄・准至が家を出て行った経緯や、その兄が連れて帰ってきた姪・志摩子について自分の思いを語る。…:『僕の兄妹』
梅雨時、パン屋でバイトをしていた「私」。時々見かける、少し好意を抱いていた男性が、青い花柄の傘を捨てるのを見てしまう。帰り道、その傘を拾いながら、その男性への思いが醒めていくのを感じる。
通学路に落ちていた青い傘を、警察に届けるつもりで拾った「私」。同じ小学校の男子にからかわれ奪い合ううちに、歩道橋から街路樹に傘は引っ掛かってしまう。
長く連れ添った夫に先立たれ、子供たちから同居を提案された「私」。飛び出した先のお稲荷さまで、青い傘と子猫を拾う。
いきなり恋人の律子から別れを切り出された「俺」。福島に帰って農家を継ぐのだとか。餞別がわりに貰った青い傘はその日、ゴミ捨て場にあったのを拾ってきたものだとか。ピンクの糸で補修しながら、「俺」は考え、福島駅へ向かう。青い傘と財布を持って。
高校時代の同級生の結婚式へ出た「私」。帰り、駅で青い傘を拾う。新郎新婦と「私」といつもつるんでいた中森君に声を掛けられ、高校時代の思い違いを知る。…:『青い傘の思い出』
通学路に落ちていた青い傘を、警察に届けるつもりで拾った「私」。同じ小学校の男子にからかわれ奪い合ううちに、歩道橋から街路樹に傘は引っ掛かってしまう。
長く連れ添った夫に先立たれ、子供たちから同居を提案された「私」。飛び出した先のお稲荷さまで、青い傘と子猫を拾う。
いきなり恋人の律子から別れを切り出された「俺」。福島に帰って農家を継ぐのだとか。餞別がわりに貰った青い傘はその日、ゴミ捨て場にあったのを拾ってきたものだとか。ピンクの糸で補修しながら、「俺」は考え、福島駅へ向かう。青い傘と財布を持って。
高校時代の同級生の結婚式へ出た「私」。帰り、駅で青い傘を拾う。新郎新婦と「私」といつもつるんでいた中森君に声を掛けられ、高校時代の思い違いを知る。…:『青い傘の思い出』