読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ブラック・キャットⅣ チェックメイト 前編・後編 新井素子著 集英社コバルト文庫 2004年

 ブラック・キャットシリーズ、最終話。
 ネタばれあります、すみません;

 ララベス妃のダイヤモンド強奪事件が終わった今もアジトを動かないキャットと黒木明拓。広瀬千秋は二人が誰かを待っているのではないか、と疑い始める。やがて、怪盗ブラック・キャットの特集が組まれた週刊誌に、岸和田美術館で開かれる『ニューヨーク新進画家五人展』の広告が載った。アジトに近い、しかしとても交通の便の悪い場所にある岸和田美術館、日本ではほぼ無名のアーティストの展覧会。そのうちの一作は顔が変わる前のキャットをモデルとしたスケッチ。…これは昔キャットたちが所属していた「組織」からの挑戦状だ、と悟ったキャットと明拓は、千秋を巻き込まないよう気を配るが、千秋は敏感にそのことを察知、独自に美術館の下見を始める。
 警察官の山崎ひろふみは、堂本ジョンと名乗るジャーナリストにまとわりつかれていた。彼を怪しい、と思いながら確証がつかめない。堂本ジョンが持っていた岸和田美術館のちらしと、その近辺で明拓を見かけたと言う証言から、ひろふみも岸和田美術館に向かう。受付の女性・楠木ゆくえと意気投合するひろふみ。そこで偶然、千秋と再会する。
 堂本ジョンが、キャットたちの待っていた人物・新村潤一郎だろうと気が付いた千秋。展覧会直前にアメリカに帰国してしまった行動から、おそらく彼がキャットを裏切る原因となった、病弱な妹の祥子が死んでしまったのだろうと察しをつける。それでも開催に間に合うよう日本に帰って来る彼に、キャットは勝負を挑む。
 千秋を外そうとする明拓、それが嫌で反対に明拓を麻酔で眠らせる千秋。それぞれが別々に行動し、やがて展示室でキャットと潤一郎が再会する。退路を炎で閉ざした室内、二人が心中しようとしている所に千秋が飛び込む。キャットのテレポートで外に飛ばされる千秋。泣きじゃくる千秋に、ひろふみは「壊し屋」の本分を発揮、部屋を外から壊して二人を救う。…

 最後まで読めたぜ!ってこれにつきますね(笑)。19年掛かりの完結、それだけでよしとするべきでしょう。…でも、やっぱり文章くどいなぁ(苦笑;)。何度も「この辺り飛ばしてやろうか」と思いつつ、なかなか進みませんでした。ハッピーエンドだろうな、ってのもありあり判る分、どきどきはらはらもしなくて、「…先進もうや」と多少ガラ悪く思ったり(苦笑;)。
 いやいや、こんな感想が言えるのも作品が終わったから。作者もそうだったんでしょうが、私も宿題を片付けた気分です。…ふぅ。