読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

オロロ畑でつかまえて 荻原浩著 集英社 1998年

 第十回小説すばる新人賞受賞作。
 ネタばれあります、すみません;

 牛穴村は奥羽山脈の一角、日本の最後の秘境といわれる大牛山の山麓にはりついた寒村。東京都の六分の一に及ぶ広さを持つが、人口はわずか三百人の典型的な過疎の村。村の青年会(と言っても大半は30過ぎ)代表・米田慎一は村おこしに取り組むべく、幼馴染みの富山悟と共に、なけなしの金を集めて東京の代理店に乗り込む。目指したのは大学時代の友人が勤めている大手広告代理店だったが、流れ流れて、結局倒産寸前の弱小代理店に村おこしイベントを頼むことに。
 ロケーションに村を訪れた社長の石井、クリエイティブ・ディレクターの杉山、アートディレクターの村崎は、村のはずれの龍神沼にネッシーならぬ「ウッシー」を捏造。話題が話題を呼び、スポーツ新聞は記事にする、バラエティ番組のリポーターもやってくる、野次馬も押し掛ける。村は一時大盛況、とうとう硬派で鳴らすニュース番組さえ取材にやってきた。
 だがブーム過ぎれば何とやら、やがて村はまた元の状況に。焦った青年会員はまたウッシーのはりぼてを持ち出して、とうとうマスコミに正体がばれてしまう。今度は青年会の面々を責めるために押し寄せるマスコミ。彼らの前に現れたのは、不倫に疲れ、取材の折悟の純朴さに惹かれた人気女性キャスター脇坂涼子だった。
 名産・オロロ豆、時々村に下りて来てはそのオロロ豆を食い荒らすゴンベ鳥、60年に一度花咲くフタマタカズラ、冬虫夏草の一種クモタケ。ウッシーの写真を撮ったカメラマンも村の風景に惹かれてやってくる。地道な活動の結果、牛穴村は再び活気付いて来ていた。…

 何か『青い鳥』みたいな感じ?(笑) 幸せは身近にあったんだよ、ってとこでしょうか。あまりにも見事なハッピーエンド、ドードー鳥まで出てくるとは思わなかった(笑)。
 でも私は、こんな僻地は住むの嫌だなぁ、ごめんなさい(笑)。