初出は1990年、講談社ノベルス。
アマチュアロック・グループ「ZERO-ZERO」が、練習部屋として借りているビルの一室、その隣室でマリーが殺された。金槌で頭を一撃。発見したのは「ZERO-ZERO」のメンバー全員。死体に驚いたボーカルのユカは、そのまま気を失う。救急車やビルの管理人が呼ばれるその騒ぎが収まった後、死骸も凶器も消失していた。
四年前、相次いでお腹の子供と夫を亡くした同道堂裕子は、入れ替わりのように授かった裕二を慈しんでいた。帰りがあまりにも遅いのを心配して街中を捜した裕子は、空き地で裕二の絞殺死体を見つける。裕二の傍にいた黒尽くめの男を追う裕子。男は小学校脇の駐車場に逃げ込み、そのまま姿を消してしまう。裕子が空き地に戻った時、死体は消えてしまっていた。
らいつビルの1Fに入っているブティックに、半月ほど前からいる「ジュンちゃん」の姿が見えなくなった。同じビルの2Fに事務所を構えている私立探偵・新寺仁に捜索の依頼が来る。
三者の共通点は見事な赤毛。裕子は小学校の用務員が犯人だと思い込み、自宅に忍び込む。そこで見つけたのは赤毛の付着した「耳」。そして「アジト」への地図。裕子は用務員への復讐を決意する。
本当に用務員が犯人なのか、誰かが陥れたのではないか。数々の可能性を示唆しながら、新寺の推理が冴え渡る。…
四年前、相次いでお腹の子供と夫を亡くした同道堂裕子は、入れ替わりのように授かった裕二を慈しんでいた。帰りがあまりにも遅いのを心配して街中を捜した裕子は、空き地で裕二の絞殺死体を見つける。裕二の傍にいた黒尽くめの男を追う裕子。男は小学校脇の駐車場に逃げ込み、そのまま姿を消してしまう。裕子が空き地に戻った時、死体は消えてしまっていた。
らいつビルの1Fに入っているブティックに、半月ほど前からいる「ジュンちゃん」の姿が見えなくなった。同じビルの2Fに事務所を構えている私立探偵・新寺仁に捜索の依頼が来る。
三者の共通点は見事な赤毛。裕子は小学校の用務員が犯人だと思い込み、自宅に忍び込む。そこで見つけたのは赤毛の付着した「耳」。そして「アジト」への地図。裕子は用務員への復讐を決意する。
本当に用務員が犯人なのか、誰かが陥れたのではないか。数々の可能性を示唆しながら、新寺の推理が冴え渡る。…