読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

消失! 中西智明著 講談社文庫 1993年

 初出は1990年、講談社ノベルス

 アマチュアロック・グループ「ZERO-ZERO」が、練習部屋として借りているビルの一室、その隣室でマリーが殺された。金槌で頭を一撃。発見したのは「ZERO-ZERO」のメンバー全員。死体に驚いたボーカルのユカは、そのまま気を失う。救急車やビルの管理人が呼ばれるその騒ぎが収まった後、死骸も凶器も消失していた。
 四年前、相次いでお腹の子供と夫を亡くした同道堂裕子は、入れ替わりのように授かった裕二を慈しんでいた。帰りがあまりにも遅いのを心配して街中を捜した裕子は、空き地で裕二の絞殺死体を見つける。裕二の傍にいた黒尽くめの男を追う裕子。男は小学校脇の駐車場に逃げ込み、そのまま姿を消してしまう。裕子が空き地に戻った時、死体は消えてしまっていた。
 らいつビルの1Fに入っているブティックに、半月ほど前からいる「ジュンちゃん」の姿が見えなくなった。同じビルの2Fに事務所を構えている私立探偵・新寺仁に捜索の依頼が来る。
 三者の共通点は見事な赤毛。裕子は小学校の用務員が犯人だと思い込み、自宅に忍び込む。そこで見つけたのは赤毛の付着した「耳」。そして「アジト」への地図。裕子は用務員への復讐を決意する。
 本当に用務員が犯人なのか、誰かが陥れたのではないか。数々の可能性を示唆しながら、新寺の推理が冴え渡る。…

 …これは騙されました。
 新本格なんだから、って気をつけて読んでたつもりだったんですが。
 扉の仕掛けは桐の箪笥みたいなものだったのね~。読み終えた後でもう一回“犯人”の章を読み返しました。…うん、齟齬無いわ。すっきりやられたな~(笑)。
 「赤毛が多く生まれる土地柄」とか、ミステリーランドのシリーズで舞台を無国籍にしたらきっとすんなり行くと思う。書いてくれないかなぁ、きっと面白い作品になると思うんだけど。