読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

木乃伊男 蘇部健一著 講談社ノベルス 2002年

 子供の頃から心臓が悪い僕・布部正男は、毎年夏休みには病院に入院して療養生活を送っている。その年隣のベッドに入って来たのは、できものができたとかで顔中に包帯を巻いた男。看護師の白石さんはふざけて「木乃伊男」と名づけたりしたが、僕は怖くて仕方がない。何故なら、僕の家には代々ミイラ男に祟られていると言う伝説があって、僕の兄・浩一も五年前、謎とも言える自殺をしていたから。隣のミイラ男は僕から話を聞き、鏡の迷宮の中での兄の死を解明してみせる。あまりの意外な推理を信じられない僕。病院の裏山で知り合った放浪画家(その風貌からスナフと命名)は別の真相を示してみせる。
 翌年、僕は親の代からの知り合いだった玲香と結婚する。幸せな生活も束の間、僕はまたミイラ男を見かけ、妻が襲われる。追いかけた先で男は忽然と姿を消した。もしかして僕は幻を見ていたのだろうか、正気を失いかけているのではないか…。…

 蘇部さんの本は『六枚のとんかつ』に続いて二冊目。長編になると文章力が気になるなぁ(笑)。
 トリックは本当、「ありえね~」ってな感じ。『六とん』は素直に笑って面白がれましたが、こっちの方が放り投げたかったぞ(笑)。
 挿画が里中満智子さん。…この微妙さ加減は計算の上でしょうね(笑)。