読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

銀齢の果て 筒井康隆著 新潮社 2006年

 増えすぎた老人を処分するため、70歳以上の老人同士が殺しあう老人相互処刑制度が定められた。ここ宮脇町五丁目地区でもシルバーバトルが実施される。和菓子屋蔦屋のご隠居・宇谷九一郎は、先に施行された鉄敷町二丁目の生き残り・元警官の猿谷甚一の助けを借りて、老人59人の中から生き残ることを決意する。
 同じ頃、老人ホーム・ベルテ若葉台でも、広島県の山村でもバトルは始まっていた。…

 この本が出版されたころ、宣伝されていた内容を読んで眉を顰めました。
 …筒井センセイ、私これと物凄くよく似た設定の話を、過去に読んだことがあるんですけど…;
 TVに出ていた筒井さんは堂々とおっしゃいました。「『バトロワ』の老人版や!」「構想だけならずっと前からあったんやけどな、自分が70超えるのを待っとったんや」。
 ――そうか、故意でしたか。それなら納得。…て言うか、それって筒井さんしか許されないワザじゃん!
 で、やっぱり私は本家『バトル・ロワイアル』の方が面白かったです。この作品はパロディとしてブラックユーモアに徹するのか批判を込めるのか、何ともどっちつかずな感じで。普通なら2~3行間を空けたり章替えしたりするだろう、と言う様な場面転換の所でも改行そのまま。始めは校閲ミスかと思ってしまった。一気に突っ走って読んでくれ、と言う意図ならそれは失敗です、「え、いきなりこれは何、どう言うこと!?」と返って流れが止まってしまいました。
 結構期待して読んだんだけどなぁ。残念。