ラー 高野史緒著 ハヤカワＳＦシリーズＪコレクション 2004年

　多分ネタばれになってるだろうな、すみません；

　ピラミッドに魅せられた男が、その謎を解きたくてタイムマシンを開発、ミイラの骨片を頼りに紀元前2600年へ旅する。彼はそこでピラミッド建設の監督官、メトフェルに出会う。メトフェルは何故か彼がどこから来たのか知っている風で、彼を彼のイニシャルＪＤ─ジェディ─と呼び、敬意と怯えを持って相対してくれる。その世界ではもう既にスフィンクスも数々の神殿も遺跡同然の古さで、現にメトフェルらが掘り出している有り様。ピラミッドも何のために造っているのか誰も分からないまま先祖からの作業を延々と引き継いでおり、時の王クフはその表面に文字を刻んで、あたかも自分がこの建造物を造ったように見せようと企んでいた。ジェディはクフ王と会い、多神教から太陽神のみを信じる一神教への変革にあたるセド祭に参加、自らが魔術師ジェディとして歴史に組み込まれた存在になった事を知る。…

　…何か、とにかく読むのに時間掛かりました；　前の作品『アイオーン』もそうだったんだけど、この人の作品って、こっちに多大な知識が要求されるんだよう；；　…って言うか、知識を持ってたらもっと楽しめたんだろうな。
　あとがきによると元々この話は短編だったそうなんですが、…その方が良かったんじゃないのかな。だって元々ワンアイディアストーリーだし、ぴりっとまとめた方が読みやすくなったんではないかしらん。説明が色々あって勉強にはなりました（笑）。…何かでも読み進めなかったわ～；