読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

歓喜の歌 惑星博物館Ⅲ 菅浩江著 早川書房 2020年

 地球の衛星軌道上に浮かぶ巨大博物館苑〈アフロディーテ〉を舞台にしたシリーズ第3作。
 ネタばれになってるかも、すみません;

Ⅰ 一寸の虫にも
 アクセサリー材料として違法に遺伝子操作された昆虫ニジタマムシが、調査途中で逃げ出した。惑星博物館内の動・植物苑の生態系に影響を及ぼす前に捕まえなくては、と職員はてんやわんや、自警団員の兵頭健も虫が苦手なのを隠して奮闘しているのに、担当学芸員のカミロ・クロポトフにはまるで緊迫感が見られない。苛立つ他の職員。だがタマムシの単為生殖からオスが産まれたことで、カミロのスイッチが入る。

Ⅱ にせもの
 〈アフロディーテ〉50周年イベントとして、「贋作鑑賞術」展が企画された。その最中、博物館が所有していた〈都会焼〉の壺の方が偽物らしいことが判明する。見つかった本物と見比べる為、派遣されたのが国際警察機構美術班の木下五郎。世界的美術犯罪組織について語る彼は、電子に頼る危うさを説く。

Ⅲ 笑顔の写真
 ジョルジュ・ペタン、デジタルではなく銀塩写真に拘る写真家。だが往時の輝きは失われている。原因はシエナ国際写真賞を受賞した彼の代表作にあるらしい。そこで彼に写された人々は、村は、火山の爆発によってこの世から無くなっていた。写真のネガも。

Ⅳ 笑顔のゆくえ(承前)
 ジョルジュの代表作は、トリミングで片隅の子供を切り取ったものだった。激しく後悔したジョルジュは、元の構図に戻した写真を村に送っていたが、全ては灰の下に埋もれてしまった。切り取られた子供は修正した写真をちゃんと見てくれていたのだろうか。
 木下五郎による詐称騒ぎ以降 探索されていた〈はぐれAI〉の一つが、その姿を留めていたことがわかる。

Ⅴ 遙かな花
 〈デメテル〉に忍び込んだケネト・ルンドクヴィストはプラントハンターと名乗った。そんな彼に、製薬会社アベニウスの会長ヨーラン・アベニウスは植物由来の薬効成分の情報との司法取引を持ち掛ける。だが、ケネトは断固拒否。どうやらケネトの父とヨーランの間には因縁があり、ケネトのわだかまりは未だ解けていないらしい。 

Ⅵ 歓喜の歌
 ヨーランの部下 トムが身に着けていたニジタマムシのアクセサリーから、販売経路が掴めた。密売組織が摘発できそうだ。ヨーランの協力を得て囮調査に乗り出した兵頭健だが、そこで木下五郎と再会、あっけなく身分はばれてしまった。ヨーランの裏切りもあって絶体絶命、その頃〈アフロディーテ〉50周年記念フェスティバルが開幕を迎えていた。…

 何なんだろう、読んでるんだけどなかなか頭に入って来ない、頁の上を視線が滑っていく感じ、体調悪かったのかな; 元々サイバーパンク的なものは苦手だったしなぁ;;
 『遙かな花』インビボ、インビトロ等の言葉は要ったのかなと首を傾げつつ。実用としては植物絶滅しててもDNA配列さえ分かればいいらしいので、情の問題になるみたいですね。
 兵頭健の叔父さんの決着はつきました、結構早かったな。次の核は何になるんでしょうね。