読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

探偵伯爵と僕 森博嗣著 講談社ミステリーランド 2004年

 夏休み、「僕」馬場新太は公園で「伯爵」と出会う。伯爵は黒ずくめの服装で髭を生やしていて、職業は探偵。大時代的な言葉を使い、理屈や屁理屈をこねる伯爵と友達になる「僕」。そんなあるお祭りの夜、友達の原田君が行方不明になる。伯爵と二人、原田君の家を訪ねたり秘密基地を探したりするうち、やはり友人の山賀君の「原田君を秘密基地で見た」と言う証言を得る。次の日、山賀君を訪ねると山賀君は誰かに攫われる所だった。途中で合流した伯爵たちと「僕」は犯人を追跡する。…

 森博嗣氏の作品は『すべてがFになる』一作しか読んでいませんでした。「う~ん、これは私が分からない所のミステリだわ」と英語の訳文のような感想を抱いて、そのままです。次作品を読もうと言う気になりませんでした(笑)。今回はミステリーランド作品と言うことで「分かり易いかな」と手を出しました。
 これは犯人当てではないんですね。実際、登場人物少ないから犯人の見当ついちゃうし。伯爵の語る犯罪を防ぐための手立て、捕まった犯罪者をその後どう扱うのか、って辺りの見解は何かすごく納得しました。道のりはとても遠そうだし、遺族としては納まらないだろうけど。
 最後の2ページで明かされる事だけで、犯人の動機が判る。判ってしまう、って言うのが何だかイヤな世の中ですね。