読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

弥勒の掌 我孫子武丸著 文藝春秋 2005年

 妻・ひとみが失踪した。三年前の自分の浮気以来家庭は冷え切っていたので、高校教師の夫・辻恭一は捜しもしなかった。同じマンションに住む女性・坂口史恵が怪しんで警察に通報したことから、恭一は妻殺しの容疑者として取り調べを受ける。その時になってようやく、妻がどこへ行ったのか、まるで分からない事に気付く。坂口史恵から、妻が坂口の勧誘を受けて《救いの御手》なる新興宗教に何度か通ったことを知り、その本部を訪ねる。
 妻・和子が殺された。刑事・蛯原篤史は自分の手で犯人を捜そうと単独行動を取る。和子の部屋にあった弥勒像から《救いの御手》の本部に乗り込み、そこで恭一と知り合う。恭一に《救いの御手》への潜入を頼む蛯原。蛯原自身も《救いの御手》への捜索を初めて間もなく、ひとみが死体で発見される。果たして、このカルト集団の仕業なのか、どう関わっているのか。…

 …やられました。そう、作者は我孫子武丸なんだよ、一筋縄で行く筈が無いんだよ。ちゃんと最初から気を付けて読まないと駄目だったんだよ! まぁ、注意深く読んでても、きっと私はこのトリックに引っ掛かったと思うんですけどね。久しぶりに、いきなり異空間に放り出される気分を味わいました。う~ん、畜生、騙されちまったぜ(笑)。