読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

少年名探偵 虹北恭助の冒険 はやみねかおる著 講談社ノベルス 2000年

 連作短編推理小説の一冊目。

『虹北みすてり商店街』:虹北商店街は不況の真っ最中。「わたし」野村響子は商店街のケーキ屋の娘、小学六年生。ある日、駄菓子屋さんに不可解な出来事が起こる。店番のおばあさんが、仕入れた覚えのないお菓子が並ぶのだ。しかも、小さな穴が開いている。この謎を、響子の同級生で古本屋の孫・恭助が解く。
『心霊写真』:同級生 三好由香が体育祭の写真を見て悲鳴を上げ、教室から逃げ去った。残された写真の背景、校舎の窓ガラスには不気味な物体が写っている。恭助はこの写真の正体を暴き、由香が何に驚いたのか推理してみせる。…この話は無理がないかい?;
『透明人間』:ある朝、商店街の遊歩道に色とりどりの足跡がついていた。誰の悪戯か、アーケードには季節を無視した様々な飾りがぶら下がっている。前の晩、「誰もいないのに足跡だけがついて行くのを見た」と言う目撃証言まで現れる。果たして真相は?
『祈願成就』:虹北商店街にはバブル期に建設が計画されたまま、放ったらかされた廃墟ビルがある。いつの頃からか、そこでお願いを言うと叶うという噂が立ち始めた。何故叶うのか、恭助はホームレスの「哲学さん」に確認する。
『卒業記念』:小学校の銀杏並木で、小さな女の子が鬼を見たと言い出す。同時期、そこをプールにしようと言う計画も上がり、恭助がその共通点を探る。…

 お話が始まって2ページ目、「わたし、野村響子。少し自己紹介させてもらうわね。」の記述に、思わず遠い目をしてしまいました。うわー、懐かしいーー!! 直ぐさま見返しをめくって作者の生年を確認。1964年生まれ、ってことは新井素子を「素子姫」と呼んでその作品を読んでた年代かなぁ(笑)。一時期、猫も杓子も真似てたこの出だしを、ここで見るとは思わなかったわ。文体や内容は違うんですが(笑)。
 講談社ノベルスではあるけれど、やっぱり子供向きの様な気がする。学校に行ってない恭助を肯定的に描いているのが大人向け、なのかなぁ。この先どういう風に扱うんだろう。