読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

酩酊混乱紀行『恐怖の報酬』日記 イギリス・アイルランド 恩田陸著 講談社 2005年

 飛行機嫌いの作家・恩田陸がイギリス・アイルランドへ旅した時の思い出をエッセイとして一冊にまとめた物。恩田さんの本って、どれも装幀いいなぁ。
 恩田さんのエッセイは小説に比べて今イチだった覚えがあったのですが、今回は結構面白かったです。飛行機への恐怖とかゴシックな教会の印象とか飲んだビールの銘柄とかもあったけど、私が興味を惹かれたのは、各所で恩田さんが連想した映画や本の数々。「秘密の花園」は近い内に読み返そう、と思いました。氷室冴子さんも「ぶどうパンとミルクが美味しそうで美味しそうで…」って懐かしがってたんだよね。私も小さい頃読んだんですが、そんなに魅力的だった覚えがない。ぶどうパンで連想するのは私は「小公女」です。「小公女」は私の“主人公が酷い目にあいながら最後にはハッピーエンドを迎える”好きのルーツかもしれない(笑)。「若草物語」と「赤毛のアン」では断然「赤毛のアン」派でした。「若草物語」、何だかお説教っぽいんだもの。
 「物語を掘り起こす」作業、ってのは確か宮部みゆきさんも似たようなこと言ってた気がします。ワープロの前に座ってイタコ状態になるとか何とか…。アイルランドの丘で恩田さんの心に浮かんだ場面場面がいずれ読めることを楽しみにしています。
 ところでこの本、図書館で去年の9月に予約して、今週やっと順番が回って来ました。…だからね、待ちきれない人は買っちゃうって。図書館の本の購入が売り上げを邪魔してるって、そんなことないって。面白い作品には自然に購入者が付いてくると思うけどなあ。