読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

今宵、嘘つきたちは光の幕をあげる 紅玉いづき著 ポプラ文庫ピュアフル 2023年

 2013年に刊行された『ブランコ乗りのサン=テクジュペリ』を改題、加筆修正したもの。
 ネタばれになってるかも、すみません;

 未曾有の大地震が首都・東京を襲った後、復興の名目で湾岸エリアに大人の街――カジノ特区が作られた。そのうちのエンタテインメントに特化した一角を、少女サーカスが占める。
 ブランコ乗りのサン=テクジュペリ、猛獣使いのカフカ、パントマイムのチャペック、歌姫アンデルセン等々。特別な曲芸学校を出て、古き文学者の名を冠する演目を引き継ぐ少女たちの華やかな世界に、今不穏な空気が漂っていた。
 サン=テクジュペリこと片岡涙海(るう)は空中ブランコの練習中に落下、代わりに双子の妹・愛涙(える)に舞台に立つよう懇願する。不慣れながら演目をこなす愛涙だが、やがて何者かに攫われ、命の危険にさらされる。
 庄戸茉鈴(まつり)は、ずっと空席だった猛獣使いのカフカを志望した。親の金もコネも使ったやり方は他の生徒の反発を招き、せっかく揃えて躾けた動物たちを殺されてしまう。犯人を指摘してくれたチャペックは、猛獣使いの演目復活と引き換えにパントマイムを降ろされ、しかし茉鈴に「買ってくれる人がいる」と笑顔を浮かべる。「今、わたしが舞台を降りたら大穴なの」「お金で買われることが、夢だったから」。
 歌姫アンデルセンこと花庭つぼみは、サーカスを取り巻く企みに密かに立ち向かう。彼女のやり方でカジノを、夜の街を泳ぎ、自分たちが賭けの対象にされていることを知る。おそらく団長のシェイクスピアも関わっている。つぼみは、サーカスを離れ広い世界に出ようと勧誘されるが、サーカスを守り、歌い続けることを選ぶ。…

 新刊かと思って予約を入れたら、復刊だったんですね。『ブランコ乗りのサン=テクジュペリ』は読んだんですが、設定くらいしか覚えておらず(…;)。いや、面白かったという記憶はあるんですが。
 で、今回です。歌姫アンデルセンをすっかり忘れてました(爆!)。サン=テクジュペリの衝撃的な結末も。…これ、忘れるかなぁ、自分が信じられないわ(苦笑;)。
 二部作なのか続編なのか、シリーズがもう一冊出ているようです。次巻に続きます。