ネットで訃報に出くわしました。
何人もの方が言ってらっしゃることですが。
日本ファンタジーノベル大賞、第一回目に酒見賢一さんが『後宮小説』を応募していなかったら。
日本のファンタジーは今のような盛況を呈していたか。少なくとも、中華風ファンタジーというジャンルはもっと小さかったと思います。
「ファンタジー」に架空歴史小説を当て嵌める発想力。勿論その前に田中芳樹氏も『銀河英雄伝説』を始めていたし、萌芽はあったのかもしれませんが、それでもそこに西欧ではなく中華を、魔法や超能力のない世界を持ってくる勇気。概念を覆すようなことなのに、それを認めさせるとんでもない面白さ。私も喜んでねじ伏せられたクチでした。
その後の作品も、全て読ませて頂いています。圧倒的知識量や解釈で、新しい視点を教えて下さいました。
新刊が出たら、必ず読む作家さんのお一人でした。もっともっと作品を読みたかった。あまりにも早い、惜しい。
ご冥福をお祈り致します。