読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか ナイツ 塙 宣之/聞き手 中村計 集英社新書 2019年

2018年、M-1審査員に抜擢された芸人が漫才を徹底解剖。
M-1チャンピオンになれなかった塙だからこそ分かる歴代王者のストロングポイント、M-1必勝法とは?
「ツッコミ全盛時代」「関東芸人の強み」「フリートーク」などのトピックから「ヤホー漫才」誕生秘話まで、”絶対漫才感”の持ち主が存分に吠える。
どうしてウケるのかだけを40年以上考え続けてきた、「笑い脳」に侵された男がたどりついた現代漫才論とは?
漫才師の聖典とも呼ばれるDVD『紳竜の研究』に続く令和時代の漫才バイブル、ここに誕生!

◆もくじ◆
プロローグ「僕が霜降り明星を選んだワケ」
第一章 「王国」 大阪は漫才界のブラジル
第二章 「技術」 M-1は100メートル走
第三章 「自分」 ヤホー漫才誕生秘話
第四章 「逆襲」 不可能を可能にした非関西系のアンタ、サンド、パンク
第五章 「挑戦」 吉本流への道場破り
第六章 「革命」 南キャンは子守唄、オードリーはジャズ
エピローグ「10年ぶりの聖地。俺ならいいよな」  (表紙折り返し紹介文より)

 確か新聞に紹介されていて、興味を持った一冊。
 面白かったです。溢れ出る愛情に、読んでて何だか泣きそうになりました。
 M-1は大好きな大会で、多分初回から見ている番組です。過去の大会のあれこれが思い出されたり、「こんなことあったっけ?」と記憶力のなさに情けなくなったり(苦笑;)。最初の優勝者が重要、ってのは本当にその通り、ファンタジーノベル大賞だって、第一回が酒見賢一さんでよかった、としみじみ思ってますもの。
 第一期と第二期で評価基準が変わってしまった、という記述にもうんうん、と頷きました。ただ、前回、前々回で揺り戻しがきましたよね。
 各回の参加者へのコメントも愛情と敬意が満ちていて、そう、ますだおかだきっちり面白いんだよ(と言っても私は岡田さんがピカソになる前(Ⓒブラマヨ小杉さん)の正統派の頃の方が好きなんだけど)、増田さんどっしり待ってるんだよ、と激しく同意。でも多分この章、誤植がありますよね、文脈から見て、「増田さん」と「岡田さん」が入れ替わってる箇所が。
 おぎやはぎの一般審査員の点数については、つい先日もご本人たちが思い出語ってらっしゃいましたね、キングコングも「順番がその後で会場の雰囲気がえらいことになってて全然ウケなかった」と嘆いてましたっけ(笑)。
 ブラックマヨネーズの漫才については、チュートリアルも以前「M-1史上一番のネタ」と仰ってました。チュートリアルご自身も「神が降りるとはこういうことか」というような漫才だったのに、そうじゃないんだ、と思ったのを覚えてます。ブラマヨを踏まえての自分たち、ということなんだろうか。
 時事ネタは関西では、ハイヒールのお二人がやってらっしゃるんじゃないかしら。TV番組では司会の方に回ってらっしゃることが多くて漫才をあまりお見掛けしないので、確かなことは言えないんですが。『サンデージャポン』と『ワイドナショー』での、爆笑問題太田さんとダウンタウン松本さんについて触れられていましたが、私が見る所、お二人が同じ視点でニュースを切ってらっしゃることもありましたよ。へぇ、と思わずにやついたことありましたもの。松本さんのコメントが漫才になり得る、という記述に、以前ラサール石井さんが「ダウンタウン二人のフリートークが漫才そのままだ」と書いてらっしゃったことを思い出しました。塙さん、ダウンタウンの漫才についても触れられていましたが、「クイズ」ネタについては?? 我が家では今でも時々「ジャーンプアーップクイーーズ!」のワードが会話の中に挟まれますよ。(←どんな時だよ・笑)
 敗者復活戦、屋外の不利さも納得の行くところ、『吉幾三』のネタは私もはっきり覚えています、「どうしたんだ!?」と思った所まで。女性コンビも不利なんですよねぇ。
 南海キャンディーズ山里さんとオードリー若林さんを絶賛する流れから、相手を生かすネタを、との提言。各漫才コンビ、トリオ等々へのアドバイス。これ、それぞれの名前を出された人達はどういう風に受け止めたのかな。

 去年の大会については、塙さんはどう思ったんでしょう。また改めて語ってくれないかな。博多大吉さんが、審査員として塙さんを推薦した理由がよく分かりました。