読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

いちねんかん 畠中恵著 新潮社 2020年

しゃばけ』シリーズ。

 いちねんかん
 長崎屋店主藤兵衛が妻のおたえと共に、九州へ湯治に行くことになった。一年かける旅行の間、若だんなは店の切り盛りを任される。
 新しいアイデアを、と土産にもなる旅行用お薬セットを思いつく若だんな。じっくり進めるつもりだったのに、若だんなに代替わりすれば独立できるかも、と夢を見た大番頭の一人が先走る。

 ほうこうにん
 店表に出る若だんなの面倒を見る為に、貧乏神や屏風のぞきも奉公人として人前にでることに。その矢先、長崎屋が仕入れた高価な紅餅が盗まれてしまった。貧乏神をも出し抜いた盗人、その訳を若だんなは察してみせる。

 おにきたる
 西から流行病が近付いている。長崎屋では、荼枳尼天の庭で取れた陳皮を使った香蘇散を売り出した。二か月後、長崎屋の離れに5人の疫鬼と疫病神が集まって来る。江戸に病をもたらしたのは自分だ、と主張する妖たちを抑えようと、若だんなたちは大禍津日神を迎える。

 ともをえる
 長崎屋の香蘇散が評判となり、上方の薬種屋紅椿紀屋が 縁を結びたいと申し出てきた。江戸店を訪れた若だんなは、何故か紅椿紀屋本店の跡取り選びに巻き込まれることに。だが一人は人品に問題があり、一人は想い人があり、もう一人は人見知りで辞退したいという。若だんなの下した決断は。 

 帰宅
 若だんながこの一年の収支を改めてみると、金額がわずかに合わない。他の店でも同じような不始末が起こっていて、どうやら湯屋で出会ったならず者に、何人もの奉公人が唆されてお金をくすねているらしい。それを強請りの種に、押し込み強盗の手引きをさせるつもりなのだとか。未遂に終わった強盗団は、主のいない長崎屋に狙いをつけ、若だんなを誘拐しようと企んでいた。…

 長崎屋の薬って仕入れ先神仙の庭なの?? それは効くだろうけど、ちょっとズルしてないか?? 売り捌き先があやかし、ってのもさぁ;; いや、こりゃ若だんなに代が替わっても長崎屋潰れないわ(苦笑;)。
 最終話、長崎屋の奉公人は悪さに加担していなかった筈なのに、どうして勘定が合わなかったんだろう、と首を傾げつつ。…話に乗ったのもいた、ってことなのかな。それにしてはお坊さんが様子見に来てるのは何なんだろう…。離れ、土台は穴だらけだし、天井は落ちてるし大変だ(笑)。
 若だんなには大阪にお友達もできたようで、また再登場するんでしょうか。若だんな、大阪行くのかな。