読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

もういちど 畠山恵著 新潮社 2021年

 『しゃばけ』シリーズ。ネタばれになってるかも、すみません;

 もういちど
 雨が降らず、暑い日々が続いている。兄やたちは避暑のため若だんなを根岸の寮へ移すことに。各地で行われる雨乞いのせいで、天空には数多の龍神が飛んでいる異様な状態、水路を行く若だんなもあおりを喰らって川の中に落ちてしまった。しかも二百年に一度の天の星の代替わりも相まって、若だんなは赤子になってしまった。
 若だんなの袖の中に紛れて傷ついている天の星を見て、赤子の若だんなは自分の薬を星に与える。

 おににころも
 若だんなはあっという間に五つくらいにまで成長した。仲良くなった近所の男の子は九つで、もう奉公に行くという。一緒に薬草を探しながら、近隣の村で女の子の姿が見えなくなったこという噂を聞く。首を傾げる若だんなも人さらいに狙われてしまった。

 ひめわこ
 若だんなの見かけが12歳くらいになった。両国に移って来て、見世物や屋台を楽しむ日々。宮地芝居で評判の斬られ役 五郎右衛門に剣術教わっていたら、道場の跡継ぎ争いに巻き込まれてしまった。若だんなの体調も、だんだん優れなくなってくる。

 帰家
 元の姿に近くなったので、長崎屋に帰って来た若だんな。三春屋の栄吉が修行先から帰って来たこと、嫁取りの話が持ち上がっていることを知る。だが結婚相手のお多真は訳ありの様子、栄吉との言い争いのどさくさに紛れて、若だんなの財布が無くなってしまった。財布には蒼玉がついていて鳴家もくっついている。中身はともかく財布は探さなければ、と若だんなはお多真の実家 如月屋を訪ねる。

 これからも
 時が戻ってきて、どうやら病弱さも戻って来た様子の若だんな。その上、大八車から落ちて来た荷物の下敷きになって、また寝込んでしまうことに。巷では深編み笠の男が商人を襲う事件がたびたび起きているらしく、若だんなもその追いかけっこのとばっちりを受けたようだ。なかなか正体が掴めない深編み笠の男を捕まえる為、妖たちは町へ繰り出す。どうやら深編み笠の男は複数人いることを突き止めた若だんなたち、そしてそれは、ある村に空から落ちて来た龍の石が奪われたことに関係していた。…


 若だんなの人生やり直し、こういうシチュエーションは一部の女子に凄く人気があるんですってね、推しを自分の手で育て直す、蘭世が真壁君を育て直したみたいに(←古い話を…;)。まぁ今回若だんなを育て直したのは妖たちな訳ですが。そうか、小さい頃は女の子に間違われるような可愛らしさだったのか(笑)。
 体が丈夫になって思う存分買い食いして、剣術も習えるようになって、でもそんなにうまく行く訳ないよね、と思ってたらやっぱり最後には元通りに。赤ん坊のうちに貰った薬を飲んでたら、健康なままいられたのかな。ちょっとほろ苦いラストでしたね~。
 栄吉が三春屋に戻ってきて、お嫁さんも貰うことになりましたね。言い争いの末、いきなり水をぶっかけるような女の子を嫁にするのはどうだろう、とは思いつつ。
 新展開あるのかな、次巻に続きます。