逃げて来た過去がある。頑張っている今がある。
牛乳は、誰かが育てた牛から誰かが搾り、誰かが届けてくれている。
酪農が教えてくれたこと。
どこから来て どこへ行くのか…
来し方も行くすえもどっちも大事。
八軒勇吾、未来のために過去と向き合う…
一年の計は元旦にあり。昔の人は、いいことを言う。
手打ちのソバで年を越し、つきたてのモチで新年を祝う。
その全てが地産地消。それがエゾノースタイル!
だから八軒は、思う。先人たちの偉大さを…
そして八軒は、惑う。自分の価値に…
この値札は、高いか? 安いか?
もうすぐ春がくる。エゾノーの寮を巣立つ日が近づいて来た…
疲れた体を引きずって泥のように眠ったベッド…
実習と部活で空になった胃袋を満たしてくれた食堂…
良いことも嫌なことも分かち合った仲間たち…
そして、大豊作な思い出の数々…
エゾノーの一年は、濃厚な味がした。
夢なんて語るやつがウザったかった。
目標をもっているやつにムカついた。
そんな自分が嫌いだった。今は違う。
北の大地で過ごした一年は、伊達じゃない。
やりたいことが見えてきた。
厳しい冬を越えて、どれだけ成長したのかを 一番知りたいのは、八軒だ。(裏表紙紹介文より)
御影のために、兄のノートを取りに実家へ戻った八軒。少しずつ自分に自信がついて、父親と向き合えるようになってきます。息子の変化を感じ取るお母さん、ちゃんと昆布で出汁取ってるのよね~。息子二人とも父親と折り合い悪いって、やっぱりお父さんにも問題あるような…。
常盤のアイデアから「豚肉ファンド」が発足、段々規模が大きくなって、経理をタマコに頼むほどに。今度はソーセージも作って、エゾノーブランドで売り出します。やがて、八軒の頭に「学生起業」がよぎります。そのためにも、二年からは学生寮を出て一人暮らし、下宿生活に。御影とバラ色の…とはいかないのがツラいところ(笑)。
二年からは一気に物語が進みます。卒業後、就職し損ねた大川先輩とともに放牧豚を計画、馬を手放した御影の家も協力。廃牛を利用した蹄耕法による荒地再生計画も。八軒の姿勢は周囲の人々も感化していきます。富士先生は教師を辞めて猟師に(!)、駒場も動き始めました。
ブランドやラベルなしで、という八軒の言うことも分かるけど、事業等起こすなら、分かり易いアピールはあった方が絶対有利だよ、と思ってしまう。
馬術部には可愛い後輩も入って来ました。…女の子だったのね~(←おい;)。お兄さんにはロシア人のお嫁さんが…!
次巻に続きます。