読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

銀の匙 Silver Spoon 9~12巻 荒川弘著 少年サンデーコミックス

逃げて来た過去がある。頑張っている今がある。
牛乳は、誰かが育てた牛から誰かが搾り、誰かが届けてくれている。
酪農が教えてくれたこと。
どこから来て どこへ行くのか…
来し方も行くすえもどっちも大事。
八軒勇吾、未来のために過去と向き合う…

一年の計は元旦にあり。昔の人は、いいことを言う。
手打ちのソバで年を越し、つきたてのモチで新年を祝う。
その全てが地産地消。それがエゾノースタイル!
だから八軒は、思う。先人たちの偉大さを…
そして八軒は、惑う。自分の価値に…
この値札は、高いか? 安いか?

もうすぐ春がくる。エゾノーの寮を巣立つ日が近づいて来た…
疲れた体を引きずって泥のように眠ったベッド…
実習と部活で空になった胃袋を満たしてくれた食堂…
良いことも嫌なことも分かち合った仲間たち…
そして、大豊作な思い出の数々…
エゾノーの一年は、濃厚な味がした。

夢なんて語るやつがウザったかった。
目標をもっているやつにムカついた。
そんな自分が嫌いだった。今は違う。
北の大地で過ごした一年は、伊達じゃない。
やりたいことが見えてきた。
厳しい冬を越えて、どれだけ成長したのかを 一番知りたいのは、八軒だ。(裏表紙紹介文より)

 御影のために、兄のノートを取りに実家へ戻った八軒。少しずつ自分に自信がついて、父親と向き合えるようになってきます。息子の変化を感じ取るお母さん、ちゃんと昆布で出汁取ってるのよね~。息子二人とも父親と折り合い悪いって、やっぱりお父さんにも問題あるような…。
 常盤のアイデアから「豚肉ファンド」が発足、段々規模が大きくなって、経理をタマコに頼むほどに。今度はソーセージも作って、エゾノーブランドで売り出します。やがて、八軒の頭に「学生起業」がよぎります。そのためにも、二年からは学生寮を出て一人暮らし、下宿生活に。御影とバラ色の…とはいかないのがツラいところ(笑)。
 二年からは一気に物語が進みます。卒業後、就職し損ねた大川先輩とともに放牧豚を計画、馬を手放した御影の家も協力。廃牛を利用した蹄耕法による荒地再生計画も。八軒の姿勢は周囲の人々も感化していきます。富士先生は教師を辞めて猟師に(!)、駒場も動き始めました。
 ブランドやラベルなしで、という八軒の言うことも分かるけど、事業等起こすなら、分かり易いアピールはあった方が絶対有利だよ、と思ってしまう。
 馬術部には可愛い後輩も入って来ました。…女の子だったのね~(←おい;)。お兄さんにはロシア人のお嫁さんが…!
 次巻に続きます。