読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

その本は 又吉直樹・ヨシタケシンスケ著 ポプラ社 2022年

本の好きな王様がいました。王様はもう年寄りで、目がほとんど見えません。王様は二人の男を城に呼び、言いました。
「わしは本が好きだ。今までたくさんの本を読んだ。たいていの本は読んだつもりだ。しかし、目が悪くなり、もう本を読むことができない。でもわしは、本が好きだ。だから、本の話を聞きたいのだ。
お前たち、世界中をまわって『めずらしい本』について知っている者を探し出し、その者から、その本についての話を聞いてきてくれ。
そしてその本の話をわしに教えてほしいのだ」

旅に出たふたりの男は、たくさんの本の話を持ち帰り、王様のために夜ごと語り出した―。

お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹と、大人気の絵本作家ヨシタケシンスケによる、抱腹絶倒・感涙必至の本の旅!

 面白かったです! するすると読めました。
 「その本は…」から始まる文字数制限なしの大喜利合戦。笑いあり涙あり、肩透かしやら皮肉な結末やら、よくこんなに思いつくとも! ヨシタケさんの「ソの本は…」の一節は、「やったもん勝ちじゃん!」と思いながらも思わず吹き出しましたし、サイコじみた内容「髪の毛が挟まっていた」は「捨てたらあかん!」と頁に突っ込んでしまいましたよ。
 又吉さんのパートは、何だか又吉さんの声で聞こえてくるから不思議(笑)。ゾンビへの対応策は、ゾンビ映画好きな友人にぜひとも読んで貰いたい、感想が聞きたい!(笑) 交換日記の話は、この本では長尺なことも有って印象に残りました。
 で、装丁が素敵。古ぼけた、傷んだように見える作り、ちょっと折れていたりコーヒーか何かを溢した跡があったり花びらが挟まっていたり。これ、ヨシタケさんの演出なのかなぁ。
 プロローグとエピローグはお二人の共作でしょうか、お互いを探りあうような視線、ちょっと猫背気味でお腹がでてるようなフォルムがとにかく可愛い(笑)。
 誰にでも勧められる本ですね~。楽しかった~。