読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

栞と嘘の季節 The Bookmark and The Lie 米澤穂信著 集英社 2022年

 シリーズ2冊目。
 ネタばれあります、すみません;

 図書委員の堀川次郎と松倉詩門は、返却された本の中に栞の忘れ物を見つけた。押し花をラミネート加工した手製らしき栞、その花がトリカブトだと松倉は気付く。
 持ち主は花の危険性を知っているのか、返す時に注意喚起した方がいいんじゃないか。元の持ち主を探そうと張り紙をするが、その行為の不自然さを 同じ図書委員の東谷理奈に見とがめられた。折も折、学校内の花壇で群生しているトリカブトが映り込んだ写真が、コンテストの入賞作品として掲示される。あわてて花壇に向かう堀川と松倉、そこでは一人の女生徒がトリカブトを処理していた。
 彼女 瀬野麗は松倉と文化祭の出し物で共演したことがある顔見知りだった。栞の持ち主だと名乗り出てきたが、その嘘を指摘されて逆ギレ、栞を奪って燃やしてしまう。もう危険な栞はない筈、なのに後日、横暴だと評判の悪い教師 横瀬が昼休み中に倒れて救急車で運ばれた。
 トリカブトが使われたのだろうか。栞はまだほかにあったのか。栞は瀬野が中学生の頃、家庭環境に問題を抱えた友人と「切り札」として作ったものだったのに、いつの間にか大量作製されているようだ。学外にも出回っているかもしれない。噂は噂を呼んで、校内は不穏な空気に包まれる。
 栞を回収したい瀬野は、堀川・松倉の調査に加わった。今栞を作って配っているのは誰なのか。…

 あれれ?こう来たか~、とちょっと思ってしまいました。相変わらずの二人探偵体制、なのに何か期待したものとは違う路線に行ってしまったような…。
 多分私は、短編を積み重ねるような形で、二人の学校生活や何やらを見てみたかったんだろうな。今回は長編で、ヒロインの瀬野さんがかなりエキセントリックな性格で、どうも好意を抱くことができず(というか出てきた女の子ほぼ全員好感度低かった)、もやもやしたまま読了しました。キーパーソンである櫛塚奈々美が最後まで出て来ないのも、でもそれはわざとだろうしなぁ。あの修学旅行の寄稿文等で中学時代の様子は察しろ、ということなんでしょうが、私もあれと似たような文章書いてた気がするぞ(苦笑;)。
 面白くなかった訳では決してないんですがねぇ。おにぎりが食べたかったのにタイ料理出てきました、みたいな。…ちょっと違うか;