読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

定年就活 働きものがゆく 堀川アサコ著 角川文庫 2022年

 関東近郊。妙子60歳は、経理事務で勤める会社の継続雇用を受け入れるつもりだったが、会社に残ることが後輩女子たちの噂となりそのネタの提供者・同期で比較的仲の良かった合田課長、しかも彼が本社栄転で浮かれてしゃべったと思い、怒りの勢いで会社を定年退職してしまう。妙子の夫は数年前に病気で亡く、娘の真奈美は東京で結婚、一人暮らしで早速暇を持て余し始める。夫の七回忌で久しぶりに顔を合わせた真奈美からさんざん突っ込まれ、就活を始めるがハラスメントな会社ばかりで決まらない。そこへ突然、娘夫婦の養女瑠希が進路でもめたとして妙子の元に転がり込んでくる。就活と孫との生活で一変する妙子の世界、だがそれは意外なことに不快ではなかった。瑠希の言葉によって思いもしなかった方面にも目を向ける妙子。とか言いながら、医療事務の資格まで取ったのに、結局「かわいい女の子」に就職先を取られてしまったりもしたのだが。
 定年退職後、どうやって仕事を探すの? どうやって生きがいを探すの? 
 リアルでライトな就活サバイバル小説!  (出版社紹介文に付け足しました)

 思わず作者の年齢を確かめました。1964年生まれ、ってことは主人公と同年代、ってことだよなぁ。いや、何か妙に違和感を感じて。
 この時代にずっと勤めたまま子供を産んで育てて、男女不平等を感じない女性ってのはいるのか? もしくは、子供に対する引け目は?? もし本当にいるなら、かなり鈍いのでは?? 自分の勤め先が恵まれていた自覚があるなら、再就職先のあんな社風は年代的に意外ではないだろう?? 大体、退職してすぐにハローワーク行かなかったの??…ってのは転職経験者の意見ですが。
 せっかちな人というのが私は苦手なので、妙子の造形に好意が持てなかった、ってのもあるかもしれません、娘の真奈美の気持ちちょっと分かるなぁ(苦笑;)。子供に価値観を押し付けるのは妙子もやってたじゃん、瑠希もそのお嬢様高校で頑張って大学を希望の所に行くんじゃ駄目なのかな、公立に行き直すってことは一年遅れるってことだよね??と疑問点浮かびまくりで(苦笑;)。
 奥付を見ると、2022年1月初版、12月に5版。…5刷ではなく?? いや、売れてるのはいいんですけど、何か色々なことに首を傾げた一冊でした。