読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』見ました。

 一年間見通しました。
 事前に、脚本の三谷幸喜さんがエッセイで、「何の知識も仕入れない方が楽しめる」と書いてらっしゃったのをそのまま鵜呑みして臨みました。ですから、早々の北条宗時の退場にまずびっくり。「え、お兄ちゃんもう死んじゃうの!?」と本気で驚きましたっけ。ええ、比企能員和田義盛畠山重忠も知りませんでしたとも。

 初期の頃はのんびりしたホームドラマだったのに、徐々に不穏な空気に包まれ、いつのまにやら粛清の嵐に。大河ドラマの中でもこんなに死亡率の高い作品って珍しいんじゃないかしら。何しろ後半、人死にのない週は「今週は誰も死ななかった」と胸をなでおろす位でしたから。いや、そしたら翌週にはその分も死んでったりしたんですけど(爆!)。

 粒立った魅力的なキャラクター、義経も実朝にも、「そう描くか!」と思わず膝を叩きました。視聴者が愛さずにはいられないように育てておいて、それを容赦なく切り捨てていく。歴史上そうなんだから仕方ないんですが、それでも「勿体ない…!」と思わずにいられない。次は誰だ、この人は生き残れるんだろうか、とはらはらしました。

 ダークサイドに堕ちていく北条義時、最後はもう、「殺す」しか選択肢がないという凝り固まった考えに取り憑かれたよう。和田義盛の「米俵を数えていたあいつは何処に行っちまったんだ」の台詞に激しく同意(笑)、要所要所にコメディ要素が差し込まれるんですよね。奥さんたちも、各時代の義時に合わせるかのように性格の違う人が寄り添う。幸せになるおまじないを、誰も正確に唱えられない。もっとも、提唱した大姫も幸福にはなりませんでしたが。

 私は普段ドラマを見ないので、小栗旬さんの作品はほとんど見たことがありませんでした。声優として出演されたアニメ作品はいくつか拝見していて、どれも正直、あまりお上手でないな、と思っていたのですが、今回の大河を見て、ああ、この人は全身で表現される人なんだと思い知りました。その分、声に全てを込める演技の特殊性、難しさにも改めて思い至りました。

 次の大河にエールを送るのは『真田丸』もそうでしたね。三谷さんの大河ドラマへの愛情を垣間見るようで。
 知らないことを本当に色々教えて貰いました。三谷さん、次は室町時代とかやってくれると嬉しいなぁ。
 面白かったです。