読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

闇鏡 堀川アサコ著 新潮社 2006年

 第18回ファンタジーノベル大賞〈優秀賞〉受賞作品。

 足利尊氏後醍醐天皇に叛旗を翻して12年。後醍醐帝は配下の武将新田義貞北畠顕家楠木正成を次々に失い、京では北朝を後ろ盾に足利尊氏が実権を握っていた時代。
 五条河原で女が死んだ。北畠顕家の家来となった夫を追って、陸奥の国から京に上ってきたが、そこで命が尽きてしまった。彼女の骸を見つけ、葬ったのは検非違使の下で働く放免・清輔と蚕児。女・着草は体を壊して以来、救護所・悲田院の世話になっていたらしい。清輔は女の懐に、かつて猪四郎と言う男に描いてやった巻絵があるのを見つける。
 半月後、市街の東端近くの鬼殿と呼ばれる魔所で、検非違使・清原龍雪はのっぺらぼうの女の化け物を見る。同時に聞こえた戯れ歌に導かれるように大路を訪れ、龍雪は賊に襲われる牛車を助けた。中にいたのは町尻惟久の娘、ご面相には恵まれなかったものの知恵者として世に知られた詮子。悲田院へ施しをした帰りだと言う彼女を送って行く途中、龍雪は女装した幼馴染み・陰陽師の大江義時を見かける。義時もまた、龍雪から聞いた戯れ歌の言葉に引かれて、遊女の集まる河原御殿をふらふらと見に来た所だった。そこで義時が見たのは、遊郭随一の売れっ子美姫・笙の無残に殺された姿だった。
 下手人として捕えられる義時。だが、龍雪にはとてもそうは思えない。笙は《割菱の君》と呼ばれる男の寵愛を、着草と名乗る新参娘と争っていたらしい。猪四郎に会えなかった着草の無念が、怨霊となって京の町を徘徊しているのだろうか。
 陰陽寮で起きた憑き物騒ぎ、詮子とその夫、美貌の男と名高い検非違使・兼平頼貴の家に不審な女が出入りし、龍雪の後を追う気の触れた坊主。女を殺したのは物の怪なのか、それとも。…

 『ちんぷんかん』を借りたら最後辺りの頁でこの作品が宣伝されていました。あら、私としたことが、前回のファンタジーノベル大賞の優秀賞作品を読んでいなかったわ、ってんで借りて来ました。
 …うん、大賞じゃないなぁ。
 ミステリ仕立てと言えばそうなんですが、結構早い段階で真相の察しがついてしまう。今いち必要性を感じない登場人物も多いし。侍所の望月一綱なんて、何のために出てきたんだか。陰陽師・大江義時も要るかなぁ??
 以前出てきた人物が出てきた時、「~をしていた人」って説明がまた出てくるんですよね。連載されてたものを一つにまとめた作品じゃないのに、何か妙。でも確かに、書いてくれてないと、「…この人、誰??」になったかもしれないんだよなぁ。
 風邪気味で体調悪いときに読んだからそのせいかもしれませんが、もう一つ入り込めませんでした。(←そんな時に読むなよ;)
 …もしかしてシリーズ化を狙ってる? そのための余分な登場人物かしら?? それも何だかなぁ;