読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

「十二国記」30周年記念ガイドブック 新潮社 2022年

歴史を塗り替えた大河物語「十二国記」の30年史を辿る!
1991年に新潮文庫の一作として発表された『魔性の子』は、その後、「十二国記」シリーズの「はじまりの物語」となり未来に繋がる————。30年の時を経て、初版3万部で始まった一冊が、《完全版》全10点15冊の累計1280万部を超える大作となった今、改めて作品世界を振り返り、様々な視点から「十二国記」の30年史を辿る、シリーズ初の「ガイドブック」。   (出版社紹介文より)

 購入しようかどうしようか迷いました。いやだって、有識者の皆さんの寄稿は私にはあまり惹きがないし、短編『漂舶』は持ってるし。作者へのロングインタビューの内容次第だな~、と思ってたら、それ以外でもどうもいい評判が聞こえて来たので買ってみました。
 …面白かったぜ、畜生。
 芥見下々さんも十二国記読んでたのね~。悪霊シリーズは絶対読んでるとは思ってたけど。
 校閲担当者の寄稿とか珍しいなと思ったら、これ作者の作成した地図に言及するためだな。校閲者さんが作られた地図とかも驚愕でしたよ。
 そして何より、担当編集者へのインタビューでしたね。「その手があったか!」でした。講談社から新潮社へ渡ってまでも同じ方が担当してるとは、なにその運命! 十二国記に編集人生捧げてるじゃん!!(羨ましい) 作者自身があまり語られない方なので、裏話がとにかく楽しい。愛情、熱意がひしひしと伝わって来て、ああ、この人も同士だ、と嬉しくなってしまう。そして、…講談社文庫担当者、何 怠慢してたんだよ! 絶対離しちゃいけない作家さんだろうが!! いや、きっとこっぴどく叱られただろうなぁ。そう言えばあの頃、講談社のシリーズを引き上げる作家さんが続出して、何があったんだろうと不思議に思ったことを思い出しました。
 小野さんのインタビューは相変わらず冷静で理知的、そうでなければあれだけの緻密な内容は書けないでしょうとも。それでもクライマックスをあれだけ盛り上げる技量、凄い。
 どうぞお体に気を付けて、無理はなさらないで下さい。短編集、心よりお待ちしています。