読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

宝石商リチャードの謎鑑定【11】輝きのかけら  辻村七子著 集英社オレンジ文庫 2021年

 サイドストーリー集。
 ネタばれになってるかも、すみません;

 結晶の姫君
 岡山の中学校で。今度来た理科の女の先生はちょっと変わっている。石が好きすぎて、理科の先生にまでなってしまったらしい。今日も理科部で、ビスマスの結晶を作る実験をしている。

 龍の季節
 香港のラナシンハの店で、リチャードと共に働くヴィンセント。彼はリチャードの情報を、リチャードの従兄に売っていた。だが、リチャードはそれを全部承知だという。

 楽しい日
 友人の下村と一緒に行く筈だったギターデュオのライブが中止になってしまった。リチャードに愚痴る中田正義、だが下村は急遽、別のプランを計画しているらしい。

 エドワード・バクスチャーの数奇な半生
 リチャードがまだ小さい頃。絡まれていた彼を助けてくれたのは従兄だった。彼が咄嗟に出まかせで読んだ名前「エドワード」がどんどん肉付けされていく。偽トルコ石をばらまくアクセサリーショップに乗り込む時にも。

 悪魔を憐れむ歌
 とあるパーティー会場でプールに突き落とされたジェフリーを救ったのがヨアキムだった。互いに本名を名乗りあわなかったが、ほんの偶然から、ジェフリーはストリップクラブで踊るヨアキムと再会する。ヨアキムを専属スタイリストとして雇うジェフリー。惹かれあいながらも、ジェフには伯爵家の問題が、ヨアキムには過去から引きずられた人物との関りが切れなかった。

 Ca,c'est Paris
 パリの街を歩くジェフとヨアキム。お互いの馴染みの分野で、デートをコーディネートする。

 輝きのかけら
 リチャードの専属秘書になりながらも、リチャードにはそんなもの必要ないのでは、と落ち込む正義。岡山のとある中学校の理科部のブログを眺めて、癒しにしている。…

 メインはジェフリーとヨアキムの出会い話ですね。ヨアキム自身 かなりな過去を背負っていて、その上人種差別問題も被さってくる。これは中田正義も味わったことがある経験ですね、この作品のテーマの一つなんだろうなぁ。どの人にも関わって来る感じですし。何かでも、結局はいちゃいちゃしてる二人に、「勝手にやってくれ」と苦笑してしまうんですけどね。周囲の雑音は気にしない、当人同士が幸せなら、それが一番。谷本さんもね。