読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

マナーはいらない 小説の書き方講座 三浦しをん著 集英社 2020年

三浦しをんが的確かつ楽しく伝える、小説の書きかた講座。
伝説のWeb連載「小説を書くためのプチアドバイス」が、書きおろしやコラムを加え、『マナーはいらない 小説の書きかた講座』として、ついに単行本化!
長編・短編を問わず、小説を「書く人」「書きたい人」へ。人称、構成、推敲など基本のキから、タイトルのつけ方や取材方法まで、本書タイトルにあやかって「コース仕立て」でお届けする大充実の全二十四皿。あの作品の誕生秘話や、手書き構想メモを初公開。もちろん(某きらめく一族への)爆笑激愛こぼれ話も満載で、全・三浦しをんファン必読の書!
作家・三浦しをんが「小説」を真正面から考えた――。
「小説を書くのは自由な行い」だがしかし、「ここを踏まえると、もっと自由に文章で表現できるようになるかもだぜ!」  (出版社HPより)

 小説の書き方とかいいながら、時にエッセイの様相も呈する一冊。いや、サブタイトル通り「小説の書き方」として納得の行く内容だったり「へぇ、そうなのか」と開眼するようなことが多々ありました。ご自身の作品をネタばれ上等!で例示されたりもしてて、しをんさん太っ腹です、真面目さ、誠実さが伝わってきます。ただ、その間にも『ハイロー』への愛が溢れてですね(笑)。構成の例として挙げたりされるんですが、…あれ褒めてるのかしら?(笑) 
 懐かしい所では、「あたし、花子。十四歳。」みたいな書き出し、というくだり。新井素子さんが発明したワザですね、これをすると全て新井素子氏の亜流になってしまう、と そうなることを星新一氏が応募作品で見抜いていたという強烈な個性。当時、猫も杓子も真似したもんなぁ。
 「情報提示のタイミング」も納得することしきりでした。一時期、演劇好きでよく見たんですが、登場人物の年齢設定や状況は最初に開示してくれ!と思ったことがあったので。特に学生が書いたオリジナル脚本とかは、演じてる人が似たような年齢だったりするので、衣装だけでは判断つかなくてですねぇ(苦笑;)。あれは観劇後のアンケートにも書いたっけ;
 文章が「似てるかも」という自己診断は、ほぼ百パーセント勘違い、というのは「え、本当!?」って思わず本を見直してしまいました。これは心強いなぁ(←何が?・笑)。
 書いてある内容は、普段のメールの文章にでも応用できることなんじゃないかな、とちょっと思ったり。何しろ私、状況説明が足りなくて、意図することが伝わってなかったりすることが、ちらほらあるので。「そういう意味じゃなかったんだ」って後で歯噛みするという(苦笑;)。
 そして、「『ダーニング』って何!?」「靴下の穴をかがるって!?」と本編とは別のことにも気を取られてしまったのでしたよ。…しをんさん、やっぱりエッセイ面白い。