読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

紅蓮の雪 遠田潤子著 集英社 2021年

 伊吹の双子の姉・朱里は20歳の誕生日を向かえた日、なんの前触れもなく自殺した。朱里の遺品の中から大衆演劇「鉢木座」の半券が見つかり、それが死ぬ前の最後の足取りであることを知った伊吹は、少しでも真相に迫るべく一座の公演に行った。公演後、座長に詰め寄る伊吹の姿を見た若座長の慈丹は、その容姿を見初め、入団を強く進めた。伊吹は何か手がかりが掴めるのではと入団を決意し、以降、訓練と舞台に追われながらも、「女形」としての人気も得始めていた。そんなある日、ひょんなことから両親と鉢木座との繋がりが露見することに。それは鉢木座の過去に秘められた禁断の事実だった……。
 幼いころから父親に可愛がられた記憶がなく、それどころか「汚い」と扱われた姉弟。そのトラウマは未だに残り、伊吹も朱里もお互い以外の人物に触られることに慣れない。不自然な人間関係は周囲に軋轢を生んでいく。父親は何故自らの子を否定したのか。
 血脈に刻まれた因縁、人間の最果てと再生を描いた問題作。
                    (出版社紹介文に付け足しました)

 …う~ん、これは。この設定で慈丹と伊吹でBLになりそうな…(爆!) いや、慈丹にはちゃんと奥さんも子供もいるんですけどね、何しろ人間ができてて、彼しか伊吹を救えなさそうな感じが何とも…。
 すらすらと読めはしたんですが、恋愛沙汰にとんと疎い私からすると、無理矢理恋愛しなくてもいいじゃん、と思っちゃうんですよねぇ。朱里にしたら、想いを封じるためにも伊吹に恋人を、と思ったのかもしれませんが、その割に行動に漏れ出てるし。
 どろどろの怨讐渦巻く世界、あざとさは過去一だったような気がします。