読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

宝石商リチャード氏の謎鑑定[4] 導きのラピスラズリ 辻村七子著 集英社オレンジ文庫 2017年

 シリーズ4冊目。
 ネタばれあります、すみません;

 case.1 ???
 リチャードが姿を消して以来、正義はどうも落ち着かない。銀座の店はリチャードの師匠シャウルが経営、不思議なデザインの指輪を見せ、正義のリチャードへの覚悟を問う。偽トルコ石騒動の詐欺師から、空港で見かけたとリチャードの写真を見せられた正義は、谷本さんの後押しを得て、イギリスへ飛ぶ。

 case.2 アレキサンドライトの秘めごと
 飛行機の中で出会ったイギリス人ジェフリーは、リチャードのいとこだと名乗った。詐欺師に見せられた写真をはじめ、自分が監視されていたこと、誘導されていたことを知る正義。リチャードの身に降りかかった、人種差別主義の曽祖父からの、呪いにも似た遺言や遺産の存在、それによって歪んでしまった親族の仲。正義をリチャードの恋人と思い、悪意を投げて来るジェフリーに対してさえ、正義は真っ直ぐな瞳を向ける。

 case.3 導きのラピスラズリ
 イギリスに着いて早々、正義はジェフリーにあちこち連れ回された。ビッグベン、ウェストミンスター寺院トラファルガー広場大英博物館の宝石展示室で、正義はここにある筈のないもの、日本のスイーツ購入のレシートを見つけた。謎のメッセージに導かれるまま、巨大なラピスラズリの展示物の前で、正義はリチャードと再会する。

 case.4 ホワイト・サファイアの福音
 リチャードがしかるべき相手と結婚すれば相続できる、三億円相当のダイヤモンド。自分が「しかるべき相手」の条件に、騙し討ちのような状態ではあるが当てはまると知った正義は、そのダイヤモンドが保管されている屋敷に向かった。そんな、不幸しかもたらさない様な石を破壊するために。だがその石には、曽祖父の息子への、愛情が秘められていた。

 extra case. バイカラー・トルマリンの戯れ
 銀座の店に、リチャードが帰って来た。リチャード不在時に購入した菓子のお披露目をはじめ、喜びを全面に押し出して歓迎する正義。リチャードはバイカラー・トルマリンを例に、正義を褒め称え始める。…


 ビジネスクラス、羨ましい!(笑) 大英博物館は一度行きましたが、宝石展示室には行かなかったわ、しまったなぁ。次があったら絶対行こう、部屋番号47ね。
 正義の鈍感力が際立つ一冊(笑)。谷本さんのこととやかく言えないよ正義くん、でもそれが、相手の奥底深くの善意を引きずり出す。いい方向に向かってよかったねぇ。
 それにしても、曽祖父さん、あかんやん。いまわの際に焦ってないで、ちゃんと遺言解消しなきゃ(苦笑;)。
 リチャード、本腰入れて正義を口説き始めましたよね、気のせいでしょうか…??(笑) でもどんなに愛情を表現しても、「お前は優秀で優しい奴だから、こんなことくらい簡単にできちゃうんだろう?」で済まされてしまいそうですが。ストレートに言わないと駄目なんじゃないかなぁ(笑)。
 次巻に続きます。