シリーズ8冊目。
ネタばれあります、すみません;
五鈴屋の小紋染めは大好評、それを受けて他の呉服店も小紋を売り出し始めた。だが江戸では春先から麻疹が流行し始める。
日々増えて行く死者、誰もが新しい着物を誂えるような明るい雰囲気などない。帯結び指南も自粛する中、五鈴屋は病気の子供の治癒を願って、江戸紫で染めた鈴紋の切り売りを行う。
初冬、漸く麻疹終息の兆しを迎えて。幸たち考案の新柄 蝙蝠小紋も売り出され快進撃が続く中、五鈴屋に幕府から上納金が申し付けられる。その額、千五百両。前もって情報を貰った幸が両替商を訪ねると、そこにいた両替商仲間の一人が面会を求めて来た。井筒屋三代目保晴と名乗る惣次の姿がそこにあった。惣次の助言を参考に、幸はおかみに上納金の分割払いを申し入れる。
賢輔や結に縁談が舞い込むが、賢輔を 周輔を挟んで五鈴屋九代目に、結をその相手にと目論んでいる幸はどちらの縁談も断る。喜ぶ結。だが賢輔の想い人が幸ではないか、と気付いた結は、五鈴屋考案の新柄 干支小紋の型紙を持ち出して出奔する。行き先はおそらく両替商音羽屋、結との縁談を望んで諦めず、また日本橋の呉服屋田村屋と繋がりがあることも幸は察していた。…
惣次さん再登場。自身の強引さを反省もしたらしく、新天地で転職して成功を収めてらっしゃいました。幸さんへの未練もない様子、でもアドバイスはしてくれるのね、いい人だなぁ。
男女どちらも着られる柄、ってのはいいなぁ、と思いましたね。浴衣なんか、男物の方がシンプルでかえって可愛いじゃん、と感じる柄や帯のオンパレードですもの。
さて、綻びは身内から出ました。幸さん、苦労してるんだけど、結からしたらそれでもいいようにしか見えなかったかな。
次巻に続きます。