読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

あきない世傳 金と銀 七 碧流篇  高田郁著 2019年 角川春樹事務所

シリーズ7冊目。

 大坂天満の呉服商「五鈴屋」の七代目店主となった幸は、亡夫 智蔵との約束でもあった江戸に念願の店を出した。跡継ぎの名乗りを許された三年、この間に商いを確立させなければならない。
 湯屋や茶屋で江戸の帯の結び方や着物の好みをリサーチする。店で帯結び指南を開催、しかし店の品の販売を無理強いしない。智蔵の伝手を頼り、江戸の歌舞伎役者を訪ねる。そこで表は木綿、裏地は絹の稽古着を依頼され、歌舞伎界ともわずかな繋がりができた。
 一方、幸は新しい小紋の開発を思いついていた。庶民の為の小紋、五鈴屋の鈴小紋。賢輔を伊勢に走らせ、型紙を注文する。帯結び指南を切っ掛けに交流のあったお才の夫で染物師の力造に、過去の因縁を越えて型付師として復帰してほしいと依頼し、力造は苦難を乗り越えて江戸紫の小紋を染め上げる。その反物は歌舞伎役者 中村富五郎の「娘道成寺」上演前のお練りの晴れ着となった。…

 快進撃が始まる予感芬々。妹の結も江戸に出てきましたしね。
 惣次の姿が見え隠れし始めました。…うん、いずれ出て来るだろうとは思ってた。それを理由に「女名前三年」の延長を依頼、あと三年の猶予もできて、跡継ぎ候補には賢輔が浮上。
 お練りを見に行くだけの庶民も着物なり帯なりを新調、って言うのは、今でいう好きなアーチストのライブにおめかしして行く、みたいなものかしら(笑)。以前、一緒に働いていた後輩の女の子はジャニーズのコンサートへ行くのに「あれはデート服ですから!」と力強く言ってたのを思い出しました、いつの時代も変わらないなぁ(しみじみ)。
 ただ、江戸紫の着物に承和色(黄色らしい)の帯、ってのがあうのかがどうもぴんと来ないんですが。
 前掛けの絎紐をおび帯結びに利用、っていうのはいずれ帯締めに発展していくのかな。
 次巻に続きます。