読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

『まだまだ滑走しちゃうよ!「ユーリ!!! on ICE」トークショーライブビューイング&オールナイト上映会』に行ってきました。

 臆面もなく言います。ドハマりしました。ええ、こんなイベントに行くほどに(爆!) 
 「私も見てるよ~」と言っていた友人を誘おうかどうか散々迷いましたが、何しろオールナイト、気軽に声は掛けられず、結局一人で参加しました。私はTOHOシネマ伊丹会場での鑑賞です。

 今を去ること11月末、見逃した第一話を友人宅で見せて貰って、「こりゃ面白いわ」と第二話から録画。第三話で「しまった、ハマった」と自覚しました。いやだって、憧れの人がいきなり目の前に現れて、「君自身も気づかなかった魅力を引き出してみせる」「それができるのはぼくだけ」なんて言われてごらんなさい、そりゃ落ちますよ!(←何に!?・笑)
 関西では1か月以上遅れて放送が始まったので、まさにこの日、2月11日の深夜が最終回オンエアでした。だからこのイベントで最終話見た人もいたんじゃないかなぁ。私は、というと、最終話だけ年末にBSで放送された分を録画しておりました;  こりゃ先が知りたくて仕方なくなるに違いない、でも途中飛ばして見るのは嫌だし、そうだ、地上波の放送が追い付くまでBSで録った分を置いておけば、少しでも早く見られるじゃん!…と思い付いたのがBS版最終回手前でして。つまり、そこまでハマっていた訳です。

 開演は夜10時から、司会のテレビ朝日のアナウンサーさんに呼ばれて、原案&ネーム担当の久保ミツロウさん、勝生勇利役の豊永利行さん、ヴィクトル・ニキフォロフ役の諏訪部順一さん、ユーリ・プリセツキー役の内山昂輝さんの登場です。諏訪部さんはワインレッドのスーツ、アッシュグレイの髪にマッカチンティッシュケースまで左手に抱えて現れました。…サービス精神の旺盛な人だよ;

 本当なら司会者は別の人だったんだろうな、と少々意地悪なことも考えつつ。本来の人だったら『ユーリ!!!』作中でもほぼ毎回出番があったから、その人から見たエピソードもあった筈で、それこそ語ってほしかったのに。全く、間の悪い。

 豊永さんだったかな、観客席に向かって「この中で初めてこの作品見る、と言う方はいらっしゃいますか?」との問いに、久保さん「多分いませんよ」と即答。このイベントのチケットは瞬殺だったそうで、「会場に来ている人は勝者なんです!」「こぶしは血にまみれてるんですよ!」と力説。この言葉選びのセンス、何て素敵!(笑) そして、トークコーナーが始まりました。

 豊永さん、諏訪部さんともに「6,7話くらいからどういう風に演じたのか覚えていない」「計算ではなく、その場の感覚を大事にした」とのこと。オンエア見て「こういう演技してたんだ」と思ったこともあったそうで、だからこういう場で「キャラクターの声で一言」と言われると大変困るんだとか。諏訪部さんは「もし続編の話とかがあったとしても、もう一度掴みなおすのに苦労しそう」とも仰ってました。
 その流れで、「ゲームやばかったね」(確かこんな表現だったと思う)と三人で顔を見合わせる所も。世界観があまりにも違って戸惑われたようです。そりゃそうだろうなぁ。
 内山さんはユリオの髪型が変わったことに触れてらっしゃいましたね、アップになって見た目も変わって、内面も成長して、的な。
 久保さんもネームを描かれた当時のことはあまり覚えてらっしゃらないとのことで、監督とか演技者とかのスタッフのおかげで何度も生まれ変わってる気がする、放送を楽しんでたとか。感謝の言葉を何度も重ねてらっしゃいました。

 印象的な台詞は、との質問には「寺かな」「滝かな」「フクースナ」。内山さんは迷わず「豚関係」。特に「家畜」の表現は「どこから思い付いたんですか?」と久保さんに訊いてらっしゃいましたね。それの返事が「勝生、カツキ、かちく……これだ――!って感じで」「苗字からですか!?」「もちろん『豚』の下地があったからだと思うんですけど」。…やっぱり面白い人だなぁ。
 内山さん、他にはチェレスティーノコーチの「勇利にはない華がある」も挙げてらっしゃいましたね(笑)。そう、さらりと冷静に酷いこと言ってた(笑)。
 豊永さん曰く、一番初めのモノローグは「この時点で(過去を振り返って)言ってるんです」という製作者側からの指示があったとかで。それがいつかはあえて明かしません、とのことでした。確かに過去形でしたものね。そのせいか「ヴィクトル死亡説」なんてのもあったそうで、内山さんが「ヴィクトル・ニキフォロフは死んだ!」の台詞を口にしたり。

 豊永さんはブックレットを見ながらイ・スンギルの衣装に触れ(密林の鳥みたいな、と鳴きまねして下さいました。久保さんも「衣装のデザインは指定してない」と仰ってました)、ポポーヴィッチの奇妙な衣装とポーズに触れ、内山さんはCDにあるユリオのエキシビジョン曲に触れ(「ねーっ、気になりますよねーっ」と久保さんも相槌打ってました)。ポポちゃんは、男性スタッフ一番人気の座をオタベックに抜かれたそうです。…共感より渋さの方が勝ったか。
 オタベックについては「あのバイクはどこから来たんでしょうねぇ」のツッコミも。私も本放送でそう思った!(笑) あと、バンケット会場にポールがある不思議とか。

 ミュージックステーションで一場面が流れたことについて「流れたんですってねぇ!」と驚きの表情。「ゴールデンタイムで放送して大丈夫なんですかね」「親子で気まずくなるあれですかね」「いや、いいんですよ、スポ根アニメですから!」。何しろテレビ朝日、親子で見られる公明正大なアニメが多いからなぁ、そこら辺の機微を今一つ分かってないんでしょうね(苦笑;)。

 最終回はカット数が普通の一回の放送分の倍もあったとか。通常の回ですらスケート場面はレコーディングに間に合っていなかったのに(宮本賢治先生が実際に滑っている映像が流れていたらしい、ユリオの場面は体形のこともあって女の子が演じていたとか)、とにかく製作がぎりぎり、間に合うかどうかみたいな所まで行ったそうで、諏訪部さん曰く「ステファン・ランビエールが参加する、ってことでヴィクトルの台詞も録り直しがあって、水曜日放送なのにそれが月曜日という、信じられないスケジュールで」。久保さんもそれに加えて、「ランビエールのカットは作画監督の平松さん自らが手掛けて」との情報も。ヴィクトルのスケート靴の金のブレードはランビエール選手が使用していたものがモデルだったそうで、本当に広がり方が凄かった、と。
 それ聞いて凄いなぁと思いつつも、それなら本来の映像はどんなものだったんだろう、とそっちを見てみたくなったのも事実。何しろどの回も内容ぎゅうぎゅう詰めだったので。

 質問コーナーも色々あって、久保さんには主要人物三人、どこにポイントを置いて描かれていたか、との質問が。
 勇利は作監の平松さんが描き易いように自分と平松さんの間の絵を意識し、ヴィクトルは「まつ毛の長さにびっくりした」とのこと。自分は元々男性キャラにまつ毛を描く習慣がなかったそうで、「出来上がった絵がとても綺麗で」自分も描き入れるようになったとか。ユリオは自分の中にある金髪碧眼の系譜から、「ほかのアニメの名前出していいのかな」と気にされながらも「(魔導王)グランゾートのラビとか」。…なるほど、あの口の悪さ、ウサ耳ならぬネコ耳! 他にも「聖闘士星矢の氷河とか」と付け加えながらも、「でもやっぱりラビが一番近いかな」。私もグランゾートは好きでした。今でも主題歌歌えます(笑)。

 「自分はどのコーチにつきたいか」という質問に対しては、豊永さん「やっぱりヴィクトルかなぁ」「でもたまに本気でイラっとくるんだよなぁ」。「JJの両親とかもよさそうですよね」「あったかい雰囲気が」との言葉に久保さんの「JJの所は束縛が厳しいですよ」「すぐ懺悔室行き、みたいな」と説明が入りました。やっぱりそれぞれについて詳しい設定があるんですね。
 実はヤコフコーチ優秀だよね、との言葉も。諏訪部さんも内山さんもヤコフコーチを挙げ、内山さんはそれにリリアの存在も加えていました。「三人並んだ時の絵力が凄い」。…成程。

 会場が笑いに包まれた質問、「クリスを迎えに来た人は誰ですか」。うん、確かに気になった!(笑) 久保さんによると「スイスのスケート連盟の人で、多分元アイスダンスの選手」「何故か猫の面倒を見てくれてる」。自分としてはあまり詳しく絵には起こしていなかったので、放送を見て、「これは公式じゃないですよ」「私が勝手に思ってるだけですよ」と念押しした上で、「『ガラスの仮面』の真澄さんだと思いました」。…いや、これからそう呼ばれちゃうよ!(笑) 最終的には「マスミッティ」という呼び名がついてましたね。

 やってみたい技については豊永さん自ら前に出て、「JJがやってたこういうやつ!」と実演。久保さんすかさず「ハイドロですね! 羽生選手がやってる!」。そうか、あれハイドロって技なんだ。初めて知りました。低い位置からどういう風に見えるのか知りたい、とのこと。
 諏訪部さんが「ジャンプ百回でも回りたい」、内山さんは「スピンですかね。あれ、目回らないんですか」。久保さんが「以前TVで安藤美姫ちゃんが検証してて、何回まわっても全然目が回ってなくて」「三半規管が強いのか、生まれつきなんですかね」。それ『トリビアの泉』ですよね、私も見てました! 久保さんさすがタモさんファン! そしてJJはさらにカメラ目線なんですよね~(笑)。

 久保さんは山本監督とヨーロッパ選手権かな、見に行かれたそうで(「二期の準備とかではなく、以前から行こうと言っていた」とお断りされてました)、日本ではチケットも取れない状況だけど海外はそんなこともなくて、緩くてとてもいい雰囲気だったとか。写真もOKだったそうです。そこでヴィクトルのコスプレした女の子に(カツラを取ったら地毛はオタベックの髪型だったらしい)「一緒に写真撮っていいよ」と言われたとか。…何て上から目線!(笑)。原作者と知ったらどういう反応するか、でも結局名乗らず別れたそうで。帰りの電車の中でも一緒になった話をされてました。本当、海外でも大人気なんですね、諏訪部さんはツイッターに「読めない字でコメントがくる」と仰ってたし、豊永さんも「ファンレターが一生懸命日本語で書いてくれたようなのが来て」どんどん言葉遣いがぞんざい(苦笑;)になっていく内容に、「でもきゅんきゅんくるんですよ」と熱弁ふるってらっしゃいました。

 フィギュアスケートというあまり縁のない世界を身近に感じてもらうために日常風景から始めた、でも日常の方が面白かったとは言われたくなかったので後半頑張った、やっぱりグランプリシリーズ面白かった、と語る久保さん。「試合の合間合間に日本の様子が入りますよね」の言葉に「帰る場所がある、ってのは描いときたかった」。何だかんだ言って、ちゃんと計算して描かれてるんだよなぁ。

 応援上映見るの初めて、と仰っていた久保さん、盛り上がったのはやっぱり後半だと思うんですが、最後まで見られたのかなぁ。JJの唄の大合唱は、本会場ではどうだったんでしょう。こちらのライブビューイングでは手拍子くらいだったんですけど。そう、伊丹や神戸では土地柄として無理だろうな、とは思ってたんですよね。大阪の会場だったらもっと盛り上がってたのかしら、でも少しでも自宅の近くの映画館で見たかったんですよ、何しろオールナイトだし。
 でも7話のハグシーンでは皆さんの息をのむ気配と僅かな歓声、拍手があったし、10話での「結婚おめでとう~!!!」でも拍手が(笑)。11話、12話でも各選手の演技が終わるごとに拍手がありましたし。クレジットなしのオープニング、エンディングはやっぱり綺麗でしたね~。勇利のエキシビジョン、ヴィクトルの参加場面にも拍手は起きました(笑)。

 大画面、大音量で見ると改めて気が付くことも多くって。こんなに細かく動いてたんだとか、背景にあの人がいたんだとか、指輪あんなに光ってたんだとか、ここで息の演技が入ってたんだとか、BGMこんなのだったんだ、とか。
 5話以降作画がどうしても落ちてしまったのが残念だったのですが、あれ、描き直しがあったのかな?? 動きが気にならなくなってた場面もあって、それは気の所為だったのかどうなのか。
 テンポのいい展開、掛け合いの面白さ、あまりにも立ってるキャラクターたち。わずか数分の演技で選手の状況やら性格やら把握させてしまう分かりやすさ。ポポーヴィッチには眉を顰めて笑ったし、JJには爆笑しました。バレエはもう踊っていないオタベック、格闘技か何かやってるのかなと思ったり。かなり前ですが空手やって参考にしてる選手いましたもんね。
 あそこまでにガラの悪い内山さんや、あんなに前向きに明るい小野賢章さんの演技も聴いたこともなかったです。
 勇利のプログラムが一試合ごとに完成に近付いていくのは本当、楽しかった。特にSPの、カツ丼や美女から始まって、「全力で俺を誘惑しろ」から「もうそういうものをイメージしなくても踊れるだろう?」に続く鮮やかさ。自分も憧れられる存在であることを自覚する箇所も絶妙で。

 とにかく独特の台詞まわしも好きで、3話の「ヴィクトルので見たかったぁ、とか言われるんだ」ってのには「本当にそんなこと言う人いそう…!」と思いましたし、10話での「頭にグラサンかけてる男は総じてクズだぞ」の台詞には笑ったし、やはり10話のヴィクトルのモノローグ「ダウジングのように探してる」なんで言葉は、私の中では絶対出てこない表現だ!とわくわくしましたし。
 前半のコメディタッチの台詞が後半、別の意味を持ってくる展開にはもう脱帽。
 特に気負う様子もなくさらっと口にする「引退」の言葉、どの選手でも常に背中合わせに考えている証明のようで、シニア上がりたてのユリオでさえ、ヴィクトルの現役復帰を聞いてまず「カツ丼引退するのか?」と察してしまう。凄い競技だなぁ。
 
 こっそり優子ちゃんの存在すげぇな、とも思ってます。あの娘全ての始まりだよなぁ。勇利がまだ高校生で、何も行動できないうちに幼馴染に取られて、子供も三人産んで(そりゃ勇利、5年故郷に帰る気もなくすだろう)、それでも未だにユリオの毒気も抜く聖母っぷりだもんなぁ。西郡は勇利の優子への思いをどこまで感じ取っていたんだろう。

 二期を切望する声は大きいようですが、どうなるんでしょうね。私も見てはみたいんですが、そうするといよいよ引退とか関係してきてハードな展開になりそうな。それこそ、クリス引退してるんじゃないかとも思ったり。平昌オリンピックがどう描かれるのかも気になるし。(作中でも少し触れられてましたね)

 いやもう、こんなに夢中になって見たアニメは久々でした。楽しかったなあ。
 イベントトークコーナーの内容は、何しろ記憶力だけを頼りに書いているので、「大体こんな感じの内容だった」ということで。
 そうそう、我ながら驚いたのは、豊永さんの声が聞き分けできるようになっていたこと。元々アニメとか見てて「この人上手いなぁ」とエンディングでキャストを確認したら豊永さん、ってことが多い声優さんだったのですが(上から目線ですみません;)、どうも特定できなくて。でも今期『チェインクロニクル』見てたら「あれ、豊永さん??」とスタッフロール確認する前に気が付いて、自分でもびっくりしました。
 幾つになっても人は成長できるもんですねぇ(笑)。