読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

風と行く者 ―守り人外伝― 上橋菜穂子著/佐竹美保画 偕成社 2018年

 『守り人』シリーズ外伝。

 つれあいのタンダとともに、久しぶりに草市を訪れたバルサは、若い頃に護衛をつとめ、忘れ得ぬ旅をしたサダン・タラム〈風の楽人〉たちと再会、その危機を救ったことで、再び、旅の護衛を頼まれる。
シャタ〈流水琴〉を奏で、異界への道を開くことができるサダン・タラム〈風の楽人〉の頭は、しかし、ある事情から、密かに狙われていたのだった。
 ジグロの娘かもしれぬ、この若き頭・エオナを守って、ロタへと旅立つバルサ
 道すがら、バルサは過去の旅を思い出す。当時の頭はエオナの母サリだった。各氏族の争いの歴地を巡り、鎮魂の歌舞を納めるのがサダン・ラタム〈風の楽人〉。昔ながらの伝統を頑なに守り、変化や混血を嫌うターサ氏族のアール家と、それを受け入れて発展を遂げるロタ氏族のマグア家。
 二家の和睦を結んだアール家の英雄ラガロはエウロカ・ターン〈森の王の谷間〉に眠っていて、その墓に参るのもサダン・ラタム〈風の楽人〉の仕事の一つだった。だが今年、地震でその墓が崩れたという。遺骨も風雨にさらされているというのに、禁域であるがゆえにそのまま放置されているらしい。
 ラガロの墓に近付くのを嫌がる人物がいる。過去も、そして現在も。それは誰か、墓に、遺骨に何が示されているのか。
 草原に響く〈風の楽人〉の歌に誘われて、バルサの心に過去と今とが交叉するとき、ロタ北部の歴史の闇に隠されていた秘密が、危険な刃となってよみがえる。…                (出版社紹介文に付け足しました)

 
 いや、敵対してた相手の家から、その家の当主が死体になって帰って来たら、そりゃまず殺人疑うだろう??と最初のエピソード読んだ時から浮かぶ疑問。一応最後に、それは明かされる訳ですが。
 ジグロはやはり、バルサを大切に思っていたのだな、というのが分かってほっとしました。読者にしか分からない構造ではあるのですが、で、バルサにも知れたらいいんですが、でもそれはバルサは体感してることなのかな。でも、言葉にして確認した方が安心できると思うし。
 親から子へ、受け継がれる意識。サダン・ラタム〈風の楽人〉もそうだし、アール家の若き当主にしてもそうだし、英雄ラガロにしても。
 出てくる食べ物も、相変わらず美味しそうでしたよ(笑)。