読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

短編小説より愛をこめて 阿刀田高著 新潮社 2006年

 色々な媒体に書いた文章を集めたエッセイ集。
 阿刀田さんの本は久しぶりに読みました。著者の教養溢れる文章がすごく嬉しい。品があって、ユーモアたっぷりで。
 この頃長編ばかりが持て囃されて…というのは以前、東野圭吾さんも短編小説のネタにしてましたね。確かに私も「シャーロック・ホームズ」や「グリム童話」等、読書は短編から入ったと言うのに、この頃長編ばかり読んでたような…。小説もそうですが、漫画の方が長編重視の傾向は強い気がします。でも、「珠玉の短編」てのもあると思うんだけどな。清水玲子さんの作品は、私短編の方が断然好きです。まんが専門雑誌「ぱふ」で一時期短編賞が無くなった時は、すごく寂しかった。また復活したけど、今は長編漫画のサイドストーリーばっかり上位に来るもんなあ。
 阿刀田さんの作品は本当に安心して読める。多少毒だのエロだの入っても、おっとり笑って流せるのは品性の賜でしょうね。これが東野さんの作品だと、ちょっと眉を潜めざるを得ない所まで来てしまうんですよね(笑)。
 巻末の「私の愛した短編小説20」、機会があったら読んでみたいです。…ちゃんとメモっとこう(笑)。
《メモ》銀の匙/中勘助岩波文庫)     セッちゃん/重松清(『ビタミンF』新潮文庫)  
  六本木心中/笹沢左保(角川文庫)    文字禍/中島敦(『恐怖特急』集英社文庫)      
  潜在光景/松本清張(角川文庫)     その木戸を通って/山本周五郎(『おさん』新潮文庫)     
  自白没/五味康祐(『刺客』文春文庫)  女主人/ダール(『キス・キス』早川書房
  ジゴロ/サガン(『絹の瞳』新潮文庫)  さびしい水音/宇江佐真理(『深川恋物語集英社文庫)  
  雨/モーム(『雨・赤毛新潮文庫)   よなき/三浦哲郎(『ふなうた』新潮文庫)  
  タマンゴ/メリメ(『カルメン新潮文庫) 枯野/藤沢周平(『日暮れ竹河岸』文春文庫)
  南神威島/西村京太郎(『日本ユーモア文学傑作選1』白水Uブックス
  病気の通訳/ジュンパ・ラヒリ(『停電の夜に』新潮文庫)  
  水明り/佐江衆一(『江戸職人奇譚』新潮文庫) 
  ペンフレンド/スレッサー(『うまい犯罪、しゃれた殺人』ハヤカワ・ミステリ文庫)  
  鹿狩り/ボーモント(『夜の旅その他の旅』早川書房)  
  序文/清水義範(『日本ユーモア文学傑作選1』白水Uブックス)