読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

私の本棚 新潮社編 新潮社 2013年

 本好きにとって、本棚は宝物、憧れ、宇宙。そして、本棚はほんとに厄介──。

 ずらっと揃った文学全集や、愛おしい本だけを並べた棚など本棚の思い出は人それぞれ。
 でも一番の悩みは、溢れる本との長年の格闘──
 小野不由美椎名誠赤川次郎赤瀬川原平児玉清南伸坊井上ひさし荒井良二唐沢俊一内澤旬子
西川美和都築響一中野翠小泉武夫内田樹金子國義池上彰田部井淳子祖父江慎鹿島茂磯田道史酒井駒子福岡伸一ら23人の読書家による、本棚にまつわるちょっといい話。
                                       (出版社HPより)

 実は存じ上げない方もいらっしゃいまして、ですから筆者のプロフィールも紹介してほしかったなぁ。エッセイの内容でご自分の職業に触れてる方もいらっしゃって、それは有難かったです。
 私は図書館を利用するようになってから、そんなに蔵書は増えなくなったのですが、それでも文庫は二重に置いてるし歴代の『ぱふ』4月号(ベストテン号)は入りきらなくなってるし、何だかんだ言っても本や雑誌は増えて、整理しようにもどうしたらいいかわからなくて、床や紙袋に積み上がってます。ですから共感するエピソードも多かった。(←片付けが下手なだけじゃん;)
 都築響一さんの「コレクションって、けっきょくはカネの勝負だ」という身も蓋もない悟りには笑ってしまいましたし、鹿島茂さんの「古書を図書館に入れるのは『犯罪』である」にも「そうだよなぁ」と共感しました。そりゃ稀覯本に所蔵印押されてしまうのはどうかと思うよ。
 酒井駒子さんの、石井桃子さんの名前を通じてバラバラだった二冊の本が繋がる感覚もすごくよく分かる。祖父江さんの、色々な『ピノキオ』の本を集めるというのは多分、私が、同じ台本なのに演者によって、演出によってまるで違う舞台になる、ということを知った時の感動に似てるんだろうな。
 内田樹さんがまず少女小説というか家庭小説にはまった、というのもちょっとびっくり。いえ、最初とても共感して、そうよね、そうよね、と読んでいたのですが、途中でこの人男性じゃん、ということに気が付いてしまいまして。『小公女』『若草物語』『赤毛のアン』『愛の妖精』『あしながおじさん』等々を読んで、主人公に感情移入する男性って珍しくないかしら??
 自分の本棚の紹介、というのは読書歴の披露でもあるんだなぁ、と納得した一冊でした。
 そして酒井駒子さんが紹介していた『イルカの夏』はちょっと読んでみたいな、と思ったのでしたよ。