読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

銀のらせんをたどれば ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著╱市田泉訳 佐竹美保絵 徳間書店 2010年

 米国での出版は2007年、英国では2008年。
 ネタばれになってるかも、すみません;

 厳しい祖母と、いつも忙しくしている祖父と暮らす女の子ハレーは、お話の中の猟犬たちを現実世界に走らせて祖母の怒りを買い、アイルランドのおばの家に送られた。おばの家には親戚たちが集い、いとこたちは皆、ある<ゲーム>を楽しんでいた。年かさの従姉ハーモニーの導きで、地球を取り巻く<神話層>に潜り込み、物語に出て来るアイテムを取って来るというゲーム。
 黄金のりんご、竜のうろこ、眠り姫の紡、アラジンのランプetc.etc. それまで学校に行くことも許されず友達もいなかったハレーにとって夢のような日々、しかも会ったことのないお父さんまでそこにはいたのだから。でもそれも、ジュターおじさんに気づかれるまでだった。ハレーは親戚みんなが恐れるジュターおじさんに追われて、<神話層>の中へ…。

 地球で生まれたあらゆる物語が糸になり、それが銀色のらせんを形作り、地球の周りを霧のように取り巻いている<神話層>。らせんをたどると、さまざまな物語の登場人物と出会うことに…。この<神話層>をめぐって繰り広げられる、きらめくファンタジー
                                     (表紙折り返しの紹介文より)

 ギリシャ神話は好きなので、ジュターの正体にはかなり早い段階で気がつきました。そうなるとハレーの祖父母の正体も何となく察しがつくんですが、おばさんたちがなかなか分からなくてですね;
 そうか、プレアデスかぁ。星団一つ一つの名前までチェックしてなかったなぁ、そりゃ分からないわ。
 面白かったです。お馴染のお話があれこれ出て来て、それに思い当るのも嬉しい。アシモフ作品まで出て来た時には、「何で!?」とか思ってしまった(←こらこら;)。これだけあちこちにばたばたと飛びまわる話を、「これでいいんだ!」とおさえてまとめてしまう楽しさ、元気のよさ。思いつきに終わらせないんですよね、凄いなぁ。
 短めのお話でしたが、それも丁度よかったかも。本当のジュピターになりました、って終わり方も何だか納得してしまいました(笑)。