読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

天は赤い河のほとり 15~18巻 篠原千絵著 少コミフラワーコミックス

 後宮にて、ユーリは他の皇妃候補に嫌がらせを受ける。ユーリはカイルの役に立てないないことに落ち込みこそすれ、嫌がらせ自体は特に気にする風でもなかったが、寝所にさそりが放たれるに及んで怒りが爆発。皇妃候補を一喝し、姫君達を黙らせる。
 一段落ついた後宮で、7人の皇妃候補が次々に暗殺され始めた。犯人は、皇太后の黒い水で操られた皇妃候補の一人。ユーリに焙り出され追い詰められた姫は、ユーリを道連れに城壁から飛び降りる。カイルは自身の風を操る力で二人を救う。
 城下に落ち、気を失ったユーリはウルヒに拉致され、やはり黒い水を飲まされたルサファと二人きりにされた。ルサファは結局ユーリに手を出すことなく、ユーリはカイルの元に帰り、カイルはユーリを正妃にする決意をする。何の後ろ盾もないユーリを正妃に迎えるに当たり、皇太后は、ユーリが近衛長官(ガル・メシェディ)を勤めあげることを条件として出した。
 ユーリはその任を受け、カイルは側近としてルサファを付ける。ユーリの護衛を減らしたい皇太后はルサファを冤罪に陥れ、“炎夏の秤”にかけるよう指示する。
 炎天下、皮ヒモで大地に縛り付けられたルサファ。ユーリはこっそりルサファに黒曜石の破片を渡し、刑から逃げられるよう導く。
 カイルの弟・ピアシュシュリがウガリットで消息を断った。ウガリットはエジプトとの国境の要衝、様子を見るためにユーリは進軍する。
 ウガリット国王は王女をカイルに殺されたと思い込み、周りに毒ヘビを放って城に引き籠っていた。何とかヘビを片づけてユーリは城内に入るが、ウガリット王の誤解は解けない。やがて、エジプト軍進軍の報がもたらされる。将軍はあのラムセスだった。
 時間稼ぎをしようと、エジプト軍宿営地に商売女を送り込むユーリ。その隙に馬を逃がしている所を、ラムセスに見つかってしまう。再びラムセスに掴まるが、首都から遠征して来たカイルに救われる。
 ユーリは妊娠していた。一旦近衛長官の任を解かれ、ユーリはピアシュシュリ皇子の治めるカルケミシュへ海路を取る。…

 そうそう、漸くカイルも「魔力が使える」ことが証明(?)されたんでしたよね。後にも先にもこれ一度でした。
 「正妃の心得」を披露して聡明さをアピールしていたアッダ・シャルラト王女が、後々とんと出て来なくなったのは何だか残念。ルサファの健気さは胸に迫りましたね~。
 ユーリの機転、頭の良さも相変わらず。誰にでももてもてだけど、それが納得いくヒロイン、ってのは本当に珍しい。泉から出て来る場面で流れる「伝説は語る」は、本当にそんな一文を記した文書か何かが残されてるんだろうか。どこまで史実なんだろう、ってのもこの作品の醍醐味ですよね。
 確か次からは舞台がエジプトに移るんでしたよね。