読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

天は赤い河のほとり 27・28巻 篠原千絵著 少コミフラワーコミックス

 ナキア皇太后行方不明のまま、結婚式の日は迫って来る。五つの神殿で清めの沐浴を受ける最後の日、ナキア皇太后の魔力により、泉に他の世界への通路が開いた。ユーリは危うく呑み込まれかけるが、カイルとジュダの尽力と、ルサファの命によってこの地に留まる。ジュダは皇位継承権を放棄し、ナキアはカルケミシュに幽閉。ユーリは戴冠式を迎え、皇妃位(タワナアンナ)に立后する。…

 28巻には番外編 調教師キックリの日常を描いた『キックリの一日』
 カッパドキアでユスラ族の少女トゥーイを助ける『カッパドキア奇譚』
 カイルとユーリの治世二代後、ラムセス二世に嫁いだヒッタイトの姫君を描いた『オロンテス恋歌』収録。


 終わったなあ。見事に完結。
 ルサファはネフェルト姫と結ばれることなく死亡。…うん、物語としてはこれだよなぁ。
 後日談としてユーリが案外早死にしたこと、カイルも後を追うように亡くなったことが語られます。これはちょっと意外だったんですが、どこまで史実なんでしょう。皇位争いは起こってしまったようで、何処までも平穏には行かないんだなぁ。

 『天は赤い河のほとり』が始まるまで、私の中で篠原千絵さんの代表作はずっと『闇のパープル・アイ』でした。その後何作か、多分ホラーに入る分野の漫画を描かれてましたが、それでも『闇のパープル・アイ』だよねぇ、って。上から目線ですみませんねぇ、まぁ読者の特権と言うことで;
 あれ、『王家の紋章』?? と言う印象で始まったこの作品。というか、似たような設定の話は多分その他にも沢山あると思うんですが、大きく違うのは主人公ユーリが「美人じゃない」ということ。予防接種受けてたから伝染病に罹り難いとかラッキーもありつつ、自分の有能さと性格の良さで周りを魅了したということ。勿論そこは少女漫画、出来すぎの感は多少はありましたが、周りに美男子を張り巡らせて、最終的にはハッピーエンドの展開は、やっぱり爽快感がありますよね。
 現実を引き摺るような、思わずじっくり考えさせられてしまうような暗く重い展開になるファンタジー小説や漫画もあるけれど(特にこの作品は史実を織り交ぜていることですし)、少女漫画に、特に篠原さんの作品にそれは求めないなぁ。その代わり、殿方にはあまりお薦めしたくないんですけどね。女だけできゃっきゃきゃっきゃ言って楽しみたいな、って感じで。