箱はマのつく水の底！ 喬林知著 角川ビーンズ文庫 2006年

　マ王シリーズ第13弾。
　やっぱり友人まいさんにお借りしました、まいさんいつもありがとう♪

　聖砂国墳墓への地下道でヨザックと視力を失った有利。サラレギーの悪意ある誘導もあって幻覚や幻聴まで聞こえる中、漸く地上から先回りしたコンラッドに救出される。サラレギーは母親が自分に与えなかった力を欲し、王墓に行こうとしていたらしい。
　一方、有利の兄・勝利はトレジャーハンター、アビゲイル・グレイブスや地球の魔王ボブと共にボーデン湖に行く。水底に沈んでいるらしい『鏡の水底』を利用して眞魔国への道を開こうとしたが、寸前でスイス連邦当局に邪魔される。当局に情報を流したのは村田だった。
　村田は『鏡の水底』が既にボーデン湖には無いことを知っていた。ホセ・ロドリゲスと共にボストンへ飛び、かつてグレイブス邸にあった『凍土の劫火』の一部を手に入れる。それと自動車事故の爆発を手掛りに、やはり眞魔国へ向かう。…

　他に有利と村田の中味が入れ替わる短編『マ王陛下の花嫁は誰だ!?』を収録。

　すごい、キャラクターの声が声優さんの声で聞こえる…！（笑）。
　この間友人と話していて気が付いたのですが。
　同人誌界でかつて一大ブームを起こした『鎧伝サムライトルーパー』、私は「烈火ハーレム」と言うジャンル（？）が好きでした。「俺が不甲斐ないばっかりに…」と激しく落ち込む主人公を、周囲の人間がはらはらしながらフォローしていく、と言うパターン。…この『マ王』シリーズ、そのままじゃん（笑）。
　いや～、やっぱり好きだな、このシリーズ。
　ヨザックを死なせてしまったことをコンラッドに報告する有利。自分を責める有利に、コンラッドはかつて自身が味わった想いを語り、有利から自分に対する言葉を引き出して慰めにする。…ぼろぼろ泣いてしまいました。私はまだ、ヨザックが死んでしまったとは思ってないんですが、でもこのシーンがあるだけで十分だよ。
　ムラケンが渋谷に拘る理由も分かったし、何とか眞魔国にも行けそうです。一難去った有利はヴォルフラムを傷つけてしまいました。…またこの子落ち込みそうだなぁ；