読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

虹を操る少年 東野圭吾著 実業之日本社 1994年

 ネタばれ、までは行きませんが、かなり終わりの方まで粗筋書いてます、すみません;

 相馬功一はニュータイプの暴走族マスクド・バンダリズムの一員。黒一色のバイクに戦闘服、一台一台微妙に色合いの違うヘッドライトと特徴とし、現代の社会構造を破壊するという目的を抱いている。そのあまりにも整然とした走りに疑問を持ち始めた深夜、功一は瞬く光を見かけた。呼ばれるように、彼はその発光元に走って行く。
 志野政史は高校二年生。両親の夢でもある医師になるため、深夜まで勉強に励んでいたが、クラスメイト清瀬由香が気になって集中できない。そんな時、窓の外に不思議な光を見つける。その光の明滅を見ていると何故か気分がすっきりする。何回かそんな経験をした後、政史はその光を発している者を捜しに行く。
 小塚輝美は中学一年生。同居する祖母と母の折り合いが悪く、父も無視を決め込むだけ。そんな家族に絶望し、思い余って自殺しようと出たベランダで不思議な光を見る。輝美はまるでその光が自分を力づけ、呼んでいるように感じた。
 白河光瑠は、幼い頃から知能の高い子供だった。中学、高校では教師に煙たがられる程。特に優れていたのは色彩能力で、パソコンを手に入れてからはバイト代を注ぎ込んで光と音楽にのめり込む。
 やがて、光瑠は夜中、光の演奏を始める。そこには光瑠の光のメッセージを受け取った若者が集い始めた。噂は口コミでどんどん広がっていく。光瑠には佐分利と言う興行主までついて、“光楽家”として大々的にコンサートまで開くようになる。一方、初期の頃からの光瑠の信奉者・政史や輝美は、光瑠の光のコンサートが自由に見られなくなって、精神的に不安定にまでなった後、色彩感覚が研ぎ澄まされ、自分から光楽を発するまでになる。
 光瑠に触発されて人のオーラまで見えるようになった若者たち、それを否定する者によって光瑠が狙われる。光楽により発せられたメッセージを汲み取って、光瑠を救いに人が集まる。…

 困った時の東野圭吾です(笑)。この頃は書架にあったらすぐさま借りないと読めなくなりましたが。
 何でも書いてる人だなぁ、ってのが第一印象。しかもこんなトンデモ系(と言うかジュブナイル系と言うか)でも面白いよ;
 この頃はこう言う作風が流行ってたのかな。中島らもさんの『ガダラの豚』や高橋克彦さんの『総門谷』『竜の棺』ってこの辺りじゃなかったっけ。
 今の東野さんの作品によく出てくる「とにかくイヤな奴」ってのが出てこないのが嬉しかったです。