読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

空の境界 上下 奈須きのこ著 講談社ノベルス 2004年

 2001年、同人誌で発表された連作長編小説が、2004年講談社ノベルスから刊行されたもの。
 ネタばれあります、すみません;

 両儀式は身内に二つの人格を持っていた。少女である「式」と少年の「識」。二年前の交通事故で「識」を喪い、以来殺人衝動を持つ「識」の分の記憶を欠如したまま。代わりに、万物の存在の繋ぎ目が見える「直視の魔眼」を手に入れる。人間の根源に最も近づいた、完璧な肉体を持つ式を狙って、怪僧・荒耶宗蓮が暗躍する。
 不治の病で寝たきりの巫条霧絵は魂を飛ばし、それに釣られた少女たちが飛び降り自殺する。無痛症の浅上藤乃は町の少年達に陵辱され、生まれつき持っていた「モノを捻る」力を目覚めさせて殺戮を繰り返す。式はどちらの事件にも関わり、力を駆使して彼女らと戦う。
 やがて黒幕・荒耶宗蓮が姿を現す。繰り返し母親に殺される夢を見て、とうとう母を刺し殺してしまった少年・臙条巴を使って式を誘き出し、その体を乗っ取ろうと企てる。人形作りの赤い魔術師・蒼崎橙子、橙子にコンプレックスを抱くコルネリウス・アルバや、式の同級生・黒桐幹也を巻き込んで死闘が繰り広げられる。
 幹也に恋し、式に敵対心を抱く妹の鮮花。彼女の通う全寮制のお嬢様学校・礼園女学院で起こった寮の火事騒ぎ、その時死亡した同級生・橘佳織。それ以来クラスメイトに起こる記憶障害の謎を「妖精の所為かも」と語る教師・玄霧皐月と、識の記憶のない式が語りあう。
 宗蓮の置き土産、食欲と言う起源(=本能)を覚醒させられた白純里緒。殺人鬼になる前の白純を知る幹也は彼を救おうとするが、白純は幹也を倒し、式を襲う。式が記憶を亡くした事件とも関係がある様子の白純。幹也は式に殺人を犯させまいとし、式も幹也に応えたい筈だったのに、倒れた幹也の姿を見て逆上する。あの日、式の身に起こったことは。…

 …時間がかかりました。何か色々な薀蓄(?)読むのに。
 時間軸があちこちに飛ぶ構成になっているので、「あれ、こんなエピソードあったっけ??」って前のページめくったり。反対に、前に出てきた名前でも全く覚えてなかったり(←これは自分のせい・苦笑;)。
 戦闘シーンは面白かった。特に橙子たち魔術師の戦い方は視覚に訴えられました。橙子の使い魔・映写機で映された黒猫なんて「おお!」と思ったし。でも、何かそれ以前の設定だの何だので疲れてしまってねぇ;
 映画化決定してるらしいですね。きっと説明を分かり易くまとめてビジュアルで押してくれるだろうから、それを見てから読めばよかったのかも。鮮花ちゃんの話とか、玄霧先生のうだうだが出てくるまではすらすら読めて面白かったし。
 …しばらく読み易いお話が読みたいです;