読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

クライマーズ・ハイ 横山秀夫著 文芸春秋 2003年

 昭和60年、御巣鷹山日航機が墜落。その時の群馬県の地方新聞社を舞台にした新聞記者の一夏。ネタばれあります、すみません;

 北関東新聞販促部の安西と、衝立岩に登ろうと約束していたその前日、日航機が墜落した。社会部の悠木はこの事件について全権を任され、デスクにへばりつくことになる。当初墜落場所も分からず、次々に入ってくる情報に翻弄されながら、部下の佐山、神沢に現場の山に登ることを指示。決死の思いで佐山が送った記事は、しかし、上層部の嫉妬から朝刊には載らなかった。フォローしようと立てた企画もやはり潰され、折角掴んだ事故原因のスクープも全国紙に先を越される。その頃安西はクモ膜下出血植物状態になっていた。安西が夜の繁華街にいたことを不審に思い、忙しい中、悠木は安西のその日の行動を調べる。やがて判る過去の疵。「山を下りるために登るんだ」…安西の言葉が意味を持ち始める。17年後、悠木は衝立岩に登るため、安西の息子・燐太郎と待ち合わせていた。…

 面白かった。一気に読めました。地方新聞のコンプレックス、それ故の上司の嫉妬。派閥闘争にも巻き込まれるし、広告部、文化部、販促部、それぞれの思惑があり、決して一枚岩ではない。それでも事件を追い掛ける記者たち。モデルがあるとは思うんだけど、どこまで創作なんだろう。
 ただ、同じ状況の説明を何度か繰り返してて、連載中はいいんですが、一冊にまとめる時にはちょっと添削して欲しかったなぁ。
 この間やってたドラマは見なかったんですが、主人公確か佐藤浩市でしたね。でもこれはイメージ違うなぁ、佐藤さんではカッコよすぎる(笑)。『半落ち』の寺尾聡も違う、と思ったけど(笑)。
 息子の安西燐太郎くんがまたいい子で。「悠木さんが誰よりも優しいこと、僕が一番よく知ってるんですから」。…このオヤジ転がし!(笑)