シリーズ3作目。
船戸高校新聞部一年の瓜野君は、学内新聞でも学外の話題を積極的に取り上げるべきだと主張するが、堂島部長の反論の前にあえなく敗退を繰り返していた。そんなある日、同じ新聞部員の小さな提案でにわかに突破口が開けることに。意気込んで何の記事を書こうか模索する瓜野君は、木良市で頻発する小規模な放火事件にある共通項を見つける……みんなが驚くようなすばらしい記事を書いて、おれは彼女にいいところを見せたいんだ。彼女――小佐内ゆきに！
その頃小鳩常悟朗は、仲丸十希子に告白されて幸せな高校生活を満喫していた。何股かかけられている、本命も別にいるとかいう情報も入って来たが気にならない。気になるのは何気ない言葉や出来事、そこからつい推理を巡らせて、的を射たり射なかったり。
やがて堂島部長は新聞部を引退、ついに瓜野君は部長の座を手にする。連続放火の法則性を発見していた彼は、自らの手で犯人を捕まえるべく、新入部員を鼓舞し友達まで巻き込んで、夜中の張り込みを始めるまでに。
「おいたは、もうだめ。何もしないのが、一番いいと思うの」
小佐内ゆきからそう釘を刺されていたにもかかわらず……。
ほんの少しずつ、しかし確実にエスカレートしていく連続放火事件、前の事件で小佐内さん誘拐事件に使用された廃車が巻き込まれたことを切っ掛けに、小鳩君は推理に乗り出す。小佐内さんは事件に関係しているのか、同じことを瓜野君も疑い始めていた。… （中表紙の紹介文に付け足しました）
う～ん、辛辣。瓜野君、確かに中二病をこじらせてはいたけれど、やりすぎな面は多々あったけど、やり込められ方がなかなか容赦ない。再起できるかしら；
小鳩君にしても小佐内さんにしても、それぞれあっさり彼女・彼氏ができてびっくりしました。その分、二人の「普通じゃない」感じが浮き彫りになりましたね。特に小鳩君、始まりは恋愛感情がなかったとしても、もうちょっと相手に関心持ってもいいだろう？？ 嫉妬はできなくても、相手の心中を推察することくらいはさぁ！ 小鳩君に酷いことしてた相手なのに、最終的に彼女の方を気の毒に思ってしまった。
結構ブラックな展開、幕引きはハッピーエンドなんでしょうか。納まる所に納まった感じはします。でも恋愛感情じゃないよなぁ（苦笑；）。
