読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

福音の少年 あさのあつこ著 角川書店 2005年

 アサヒ・コーポが全焼、9人が焼死した。その中に北畠藍子もいた。藍子は16歳、その日、恋人の永見明帆に別れを告げたばかりだった。藍子の別れ際の言葉や、告げていたバイトが嘘だった事などが気になった明帆は、藍子の幼なじみ柏木陽とともに、事件を調べ始める。やがて、少女売春の線から調べを進めていたルポライター、秋庭大吾と知り合う。…
 
 出てくるのは枠に収まりきれない、どこかとんがった少年達。大人や少女は眩しげにそれを見ている。枠にはまりきれないまま大人になった人物は、彼らを自分達の世界に引きずり込もうとする。
 話的には突っ込み所が多々あるんですが、あさのさんの作品は多分それを言っちゃいけないんですよね。主人公たちの焦燥とかやり場のないエネルギーとか、それを感じる為の話。それでも、赤の他人の前で取っ組み合いの喧嘩始める、ってのはどうかと思いますが。
 柏木陽の声が「低くて艶がある」と何度も形容されます。「巧妙な愛撫のような声」なんだそうで。どんな声イメージして書いたのかなぁ。