読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ソロモンの偽証 第Ⅰ部 事件 宮部みゆき著 新潮社 2012年

 1990年のクリスマス。中学二年生の少年が死んだ。真夜中、自身が通っていた城東第三中学校の屋上から落ちたらしい。彼の名は柏木卓也、一ヶ月ほど前から不登校になっていた。
 自殺と判断されて事態が落ち着いたかと思えた頃、匿名の告発状が届く。曰く、柏木卓也は大出俊次を中心とする不良グループに屋上から落とされたのだとか。届いたのは中学校校長・津崎の元と学級委員の藤野涼子の家、本人の眼には触れなかったものの担任教諭・森内恵美子のマンション。警察の少年課や学校は悪戯と判断し、生徒からの柏木の死についての聞き取りを開始はするがその情報は秘匿する。やがて、思わぬ所からマスコミが告発状の存在を嗅ぎつけ、夕方のニュースで大々的に放送した。事態はそれぞれの個人事情を巻き込んで、思わぬ方向へ広がって行く。
 藤田涼子は警察官の父親を持つ優等生。クラスメイトの柏木卓也にはほとんど関心がなかった。
 野田健一は柏木卓也の第一発見者。神経質な母親と現実を見ない父親に追い詰められ、二人の殺害計画を企てる。
 向坂行夫は野田健一の親友。成績は良くないが、妹思いで優しく思慮深い。
 倉田まり子は気のいい少女。一面、感情に流され易く、物事をあまり深くは考えない性質。
 大出俊次は告発された札付きのワル。腰巾着の井口・橋田を引き連れて、苛めやカツアゲ、暴力沙汰まで起こしていた。
 三宅樹理は告発状を書いた張本人。酷いニキビがきっかけで大出から執拗にからかわれていた。
 浅井松子は三宅樹理の、たった一人とも言うべき友人。気難しい樹理からはきつい言葉で罵られたりしていたが、それでも樹理を放っておけなかった。
 古野章子は藤田涼子の友人。演劇部で上演した芝居について、柏木卓也に言われた一言が気になっていた。
 担任の森内恵美子教諭は自身の好き嫌いが生徒への態度にも現れるような性格で、生徒達からの信頼は薄かった。告発状の存在を知らなかったことが大きく響く。
 少年課の刑事・佐々木礼子は、普段の大出の行動から、柏木卓也の死に大出は関係していないだろうと推察していた。
 柏木卓也の兄・宏之は、病弱な弟ばかり両親に構われる状況に、そして弟がそれを利用している状況に恐怖すら感じていた。
 やがて浅井松子が交通事故で死亡し、ショックで三宅樹理の声が出なくなる。大出のグループを脱してきちんと学園生活を送るようになっていた橋田を井口が裏切り者と罵り、喧嘩の結果、橋田は井口を三階の窓から突き落としてしまう。大出の家が放火で全焼し、大出の祖母の死体が発見される。
 警察にしろ学校にしろ、多くの事柄が隠匿され、生徒は振り回されるだけで真実が何かも分からない。このままうやむやになってしまうのは気分が悪い。藤野涼子は、一つの決意をする。…


 予約本ラッシュです。予約した時期は別なのに、何で来る時は一気なんだろう…; しかも分厚い本ばかり…;; 宮部さんだから読み易いのは読み易い筈!と読みはじめました。
 なにしろ登場人物が多いから、ちゃんと覚えていられるかどうかとても不安。折り返しにある人物相関図だけで大丈夫かなぁ。
 さて、一番最初に書かれていた、電話ボックスの少年は誰なのか、何の関係があるのか。
 何かそれにしても、一人っ子が多いなぁ。