読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

映画『すずめの戸締まり』見ました。

 とうとう終映とのこと、今更ですが見に行ってきました。

 冒頭、急いだなぁというのが第一印象。鈴芽が草太に惹かれた要因、何故学校をサボってまで廃墟へ動いたのか、私にはあまり納得が行かない状況で物語は始まりました。…もうちょっと練ってもよかったんじゃないかしら。(←えらそう)

 新海誠監督作品は、私には何だか「女の子が酷い目に合う話」として認識されてるんですが、今回は男の子がそうなる話で、となるといきなり荻原規子みが出てくるんだなぁ。男の子を救うため日本中を旅する、ということで『白鳥異伝』を連想したのかもしれません。

 東日本大震災を題材にするのは、まだ早かったのでは、という思いが拭えません。というか、地震の原因がミミズと呼ばれる化物ですとか言われると、いや、そんなのもののせいにされましても、とちょっと眉を顰めてしまう。せめて現代日本ではなく異世界や古代にでも落とし込んでくれれば、とも思ったのですが、でも監督はあの風景を描きたかったんだろうなぁ。廃墟は勿論、災害痕さえ美しい世界。美しく感じてしまう業。主人公を高校生にしたかったなら、確かに今なんですよね。クライマックスではやっぱり泣きましたし。

 松本白鷗さんの迫力には息を呑みました。草太は、私はちょっと首を傾げてしまいましたよ。台詞の口調の波が一定な感じで、映画半ばで単調に感じてしまって。あくまで私は、ですけど。

 ちらっと見覚えのある登場人物がいたりして、ファンは嬉しかっただろうなぁ。次を急くことなく、ゆっくり作って欲しいです。