読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

鬼平犯科帳[決定版]2 池波正太郎著 文春文庫 2017年

 1975年出版分の新装版。
 ねたバレあります、すみません;

 蛇の眼
 〔さなだや〕でそばと天麩羅を食べていた長谷川平蔵は、先客の男をどうもあやしい、と感じる。果たして彼は大盗 蛇(くちなわ)の平十郎だった。
 平十郎の次のねらいは〔道有屋敷〕、先年まで将軍の侍医を務めていた家系である。二年がかりで屋敷を調べ、仲間の一人に下女おもとを誑し込ませて手引きをさせていよいよ押し入ったが、蔵の中の金銀は一足違いで公儀に奉納されていた。お宝が手に入らなかった腹いせも含めて屋敷の者二十余名は惨殺される。蛇一味の盗人宿を突き止めた平蔵は、蛇一味を一網打尽にした。

 谷中・いろは茶屋
 岡場所〔いろは茶屋〕で、娼妓のお松に夢中の同心 木村忠吾。すっかり入れあげて金を使い果たしてしまったが、お松の上客〔川越の旦那〕が「お松の好きな相手なら」とぽんと十両出してくれたらしい。この川越の旦那の正体は兇盗・墓火の秀五郎、急ぎの盗を計画していた。ある日の夜、仕事も放っぽりだしてお松のもとに急いでいた木村は、途中の寺への押しこみ強盗に出くわす。こっそり後をつけて隠れ家を突き止め、強盗団をお縄にできたが、どうにも後ろめたい。

 女掏摸お富
 鼻のあたまにほくろのある女掏摸が動いているらしい。平蔵は王子権現で偶然、似たような人相の女を見かけた。女は笠屋の女房お富、捨て子だった彼女は掏摸の元締に拾われて、指技を仕込まれた。元締の代替わりの折に逃げ出して足を洗った筈だったが、当時の仲間に再会し、金を強請られてまた指を使ってしまう。要求された額を支払い、また元の生活に戻ったお富だったが…。

 妖盗葵小僧
 大店を襲い、そこの女房や娘を凌辱する事件が相次いでいる。表沙汰になることを怖れて、お上に届けていない店も多いようだ。捜査に奔走する平蔵たち、だが妖盗は犯行を重ね、被害者は増えるばかり。声色を操って店の知り合いを演じ鍵を開けさせる手段から、犯人の中に役者上がりがいるのではないかと平蔵は見当をつける。

 密偵(いぬ)
 今はもう盗賊稼業から抜けて、一膳めし屋の亭主に納まっている弥市。火盗改メの密偵としても働いている。昔の仲間が裏切った自分を探していると言われて、その居場所を教えて貰う代わりにと、もう一度だけ錠前作りの仕事をすることに。だが、落ち着かない様子の弥市を怪しんだ女房おふくは、こっそり弥市の後をつけ、やがて平蔵も弥市の動向を気に掛けるようになる。

 お雪の乳房
 鈴鹿の又兵衛の一人娘お雪が結婚したいと言い出した。相手は火盗改メ同心の木村忠吾、だが又兵衛は足を洗う算段はしていたものの盗賊である。しかも手下に払うおさめ金を稼ぐために、最後のつとめを計画していた。そんな事情は一切知らず、お雪との結婚を平蔵に相談する忠吾。平蔵はお雪の身元確認をして、その背後にいる大盗に気付く。

 埋蔵金千両
 太田万右衛門は元盗賊。己の余命を悟った万右衛門は、若い女房のおけいに隠し埋めていた約千両の在処を伝えた。そのうちの半分をおけいに、残りを生き別れた子供に残したいとおけいを信州に使いに遣るが、その間に名指圧師の治療を受けて、めきめきよくなってしまった。そうなると金が惜しくなった万右衛門は、病身をおして隠し場所に向かう。一方、指圧師への治療代五十両をぽんと払ったご仁がいる、と聞きつけた平蔵は、その金の出所を怪しみ、万右衛門を見張るよう指示を出していた。…

 盗賊団というのはいくらでも湧いて出るのか??(笑)
 いや、当事者からすると笑い事ではないんですけど、皆殺しにされるのは勿論イヤだし妖盗葵小僧なんてとんでもないし。
 出てくる女性陣が初々しい女の子ではないんですよね~、男性陣が皆さん、みっしり肉がついてるような女性を好きなようで、木村忠吾こと兎忠が夢中になった娘すら美人ではない(苦笑;)。池波さんの好みなのかしら、と勘繰ってしまう(←おいおい)。
 兎忠さんがまたかなり現金な性格で、惚れっぽいくせにあの割り切り方、思わず「え―――――!?」と目を剝いてしまいました。あれを可愛いと許せるか、男女でかなり差があるような…。
 次巻に続きます。