読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

創竜伝 12 〈竜王風雲録〉 田中芳樹著 講談社ノベルス 2000年

 シリーズ12冊目。

 天界の大騒乱の中で、歴史の狭間に落ち込んでしまった東海青竜王・敖広を探し、宋代の中国を旅する西海白竜王・敖閏。時折しも宋と遼という二大国の大決戦 高梁河之戦前夜、白竜王はそれと特に関係なく老婆に財布を掏られたり、うどん屋で大食い企画に参加したり。
 宋軍の趙匡義は曹彬の慎重論を退け、潘美に意見を容れて総攻撃を決定、だがその前に遼軍の耶律休哥の夜襲を受けて、這う這うの体で逃げ出すさまに。一時期流れたデマの訃報のために、宋の国元では次の皇帝として兄・趙匡胤の子 武功郡王 趙徳昭の名が挙がり、趙匡義の疑心を招いてしまう。趙匡義のダークサイドを膨らませる邪神 摩駞。白竜王青竜王と合流し、摩駞の頭蓋骨に槍をぶち込む。
 摩駞の相棒 稜騰を探して、下水道に詳しい白ネコの精 白闇聖母を訪ね、趙匡胤の妻の弟 王継勲の墓に辿り着く。暴虐の徒 王継勲に取り憑いたまま、埋葬されてしまったらしい。
 どんな魔物も封じ込める玉傘聖呪を手に、やはり地上に降りていた太真王夫人と共に稜騰を退治、その後紅竜王 黒竜王とも一緒になって、改めて摩駞を成敗。長男 次男が青竜 紅竜となって天界へ帰る。
 1000年後、富士山が噴火した日本では首相が倒れたとのニュースが流れ、後継首相が選ばれていた。…

 歴史的場面にその史実を知る実力者が現れて、うまく交わりながら歴史を正していく、ってつい最近どこかで見たような…と思ってたら、そうか、『刀剣乱舞』だ。何しろ「知らないことを教えて頂く」パターン、「へぇ~」の連続で面白くない筈がない。いや、これが本編に関係あるのかどうかは別にして。吸血鬼に対する中華的見解とか、本当、成程でしたね。人生長いなら長いだけ楽しまなきゃ。
 「冷徹剛毅な大宰相」趙普はもしかして、『銀河英雄伝説』のオーベルシュタインのモデルなのかな、とふと思ったり。
 さて、次からまた本編復帰ですね。あと3巻です。