読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

O・ヘンリ短編集(二) O・ヘンリ著/大久保康雄訳 新潮文庫 1969年

 短編集。

賢者の贈りもの
明日はクリスマスだというのに、夫のジムに贈るプレゼントを買うお金がない。デラは自分の自慢の髪を売ることにする。ジムの自慢の品 祖父から貰った金時計にぴったりの、プラチナの鎖を買うために。

アイキイのほれぐすり
薬局に勤めるアイキイは、下宿先の娘ロージィに恋している。ある日、友人のマッゴーワンがアイキイに、惚れ薬を調合してほしい、と言い出した。よりにもよって、ロージィに飲ませたいというのだ。アイキイはモルヒネを調剤して渡した上、ロージィの父親に、マッゴーワンの計画をぶちまけた。果たして結果は…。

手入れのよいランプ
ルーとナンシーは親友同士。ルーは洗濯屋でアイロン掛けの仕事をし、誠実な恋人もいて結構裕福な生活をしているが、ナンシーは安い給料でショップ・ガールとして働いている。デパートで上客を相手にしたいいものを売る仕事、目だけは肥えていくが暮らしは楽にならない。

睡魔との戦い
トム・ホプキンズはキニーネと間違えて、モルヒネを多量に飲んでしまった。彼を眠らせまいと、親友のビリーは彼を挑発する。南部に捨ててこようとしている彼の恋人について。

「黒鷲(ブラック・イーグル)」の失踪
子供のお駄賃をちょろまかして、その男はテキサスの国境近くへ行く列車に飛び乗った。ハッタリの効いた見た目と口八丁は、彼を盗賊団「黒鷲(ブラックイーグル)」の首領へと押し上げる。警備隊が強化され仕事がしにくくなった昨今、彼は列車強盗を計画し始めた。

人生は芝居だ
フランクとジョン、二人の男性にプロポーズされて、ヘレンはフランクを選んだ。所が結婚式当日、ヘレンはジョンに駆け落ちしてくれと懇願される。きっぱり断るヘレン。その現場をフランクは誤解し、ヘレンの不実をなじって出て行ってしまった。それから二十年。雑貨屋と下宿を営む彼女の前に、二人の男性が現れる。バイオリン弾きと神秘的な男。今また彼女は、その二人からプロポーズされた。

ハーレムの悲劇
暴力をふるう夫、その後の優しさを自慢するカシディ夫人と、それを羨ましく思うフィンク夫人。夫が飛び掛かってくるように、暴言を吐く決意をする。

詩人と農夫
田舎者の男が、いかにも田舎者な格好で950ドルを手にしている。だが誰も、それを本物とは思わず相手にしない。男は最新流行の身なりを整えた。

マディソン・スクエア・アラビアン・ナイト
カースン・チャルマーズはホームレスを一人、食事に招待した。代わりにホームレスは自分の経歴を話す。彼は五年前には、かなり有名は画家だったらしい。彼の描く肖像画は、モデルの本質を写し出すのだとか。

千ドル
叔父からの遺産千ドルを受け取ったジリアン青年。この千ドルの使い方で、残りの五万ドルの債券も相続できるかどうか決まるらしい。

犠牲打
「ハースストーン・マガジン」に小説を載せたいアレン・スレイトン。彼はかの雑誌の編集長がいろんな種類の人たちに原稿をまわして読ませていることを知って、タイピストのオールド・ミスをたらしこもうと画策する。

臆病な幽霊
キンソルヴィング夫人の屋敷に幽霊が出るらしい。ただ、その幽霊は作業着を着ているのだとか。どうせなら南北朝時代、革命軍で戦った自分の先祖が出たらいいのに、と願うキンソルヴィング夫人。やがて、その願いはベルモア夫人が泊まりに来た時に叶えられる。

うしなわれた混合酒
偶然、とんでもなく美味い混合酒を作った二人組。それを再現しようと試みるが、どうしてもうまく行かない。だが、酒場で働くえらく内気な男の一言にヒントを見出す。果たして幻の酒はもう一度作れるのか。

二十年後
一人の男が金物屋の前に立っていた。パトロールの警官が話しかけると、男は二十年前来の友人との約束で、待ち合わせをしているのだという。

運命の道
羊飼いで詩人のダヴィッドは希望を胸に旅に出る。左の道を選べば侯爵の姪と結婚できるが命を失い、右の道を選べば謀反に巻き込まれて死んでしまう。本道を選べば彼は詩作に耽って破産し、その上「才能はない」と断じられて自殺に走る。…


 先日読んだ『古書カフェすみれ屋…』で紹介されていて、気になったので手に取りました。
 ちゃんと身を入れて読んでないせいか、オチが今一つ掴めなくて、「これ、どういう意味?」「こういう解釈でいいのかな?」と首を傾げる話も。これだから翻訳ものは、って自分の理解力のなさを大きな棚の上に上げる(苦笑;)。
 きちんと理解できれば、エッジの効いた小洒落た話なんだろうなぁ。(一)の方は理解できたと思ったのに、どうして(二)で躓いたんでしょう。…体調が悪かった、ということで;;