読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

火群のごとく あさのあつこ著 文藝春秋 2010年

 時代小説。

 兄・結之丞が死んだ。手練れで名の通った兄が背後から袈裟掛けの刺殺、下手人も捕まらないまま二年が経過する。募る焦燥を道場の稽古で晴らす新里林弥の前に、同年代の少年が現れた。彼・樫井透馬は筆頭家老の息子で、結之丞が江戸詰だった頃、剣を教わっていたと言う。結之丞の死を知り、透馬は林弥に問う。何故犯人を突き止めないのか、と。
 林弥や透馬の前に浮かびあがってきたのは蕃を二分する勢力争い。元服前の自分達にはまだ縁遠いと思われた諍いは、林弥や透馬のみならず、幼なじみの上村源吾や山坂和次郎、美しい嫂まで巻き込んで行く。…

 相変わらず、登場人物饒舌だなぁ。
 推理小説の趣はあるけれど、メインはそちらではなく、あさのさんお得意の少年たちのもがき、足掻き。だからどうしても展開が遅くてですね(苦笑;)、さっさと話進めようよ、と思った所も無きにしも非ず。(ごめんなさい;)
 後半の展開は結構唐突にも見えましたが、お兄さんを殺した犯人には素直に驚きました。犯人は今まで出てきた登場人物の中にいるのがセオリーだよなぁ、と首を傾げてたら、いましたね~。で、やっぱりよく喋るんだよな(笑)。